私は大学生の頃一つのバイトを思いついた。それは私の若さを使い、年寄りの憂鬱な病気を治してやることだった。朱に交われば赤くなる、人間は周りの5人から成り立つとのことから思いついたことだった。
半ば違法な手段で医者やカウンセラーに似たあたらしい肩書を作った私は、金をもっていた一人の患者に目を止めた。
彼は金融系で働いていて、結婚もしていない上倹約家だったので、金は持っていた。ある日訪問販売のようなフリをして彼にとりいった私は、副業として老人特有の憂鬱さに対するカウンセラーをやっていると持ちかけた。
最初は私に不審さを覚えたようだったが、若く快活な青年の輝きと、知的で面白い会話に信頼を覚えたようだった。
患者の状態はみるみる良くなって、私にますます依存した。金銭的は報酬はほとんど善意によるもので、その大半は高価な食事や物、学費などの支援だったが、その内容は次第に豪華になり、仕舞いには私を相続の対象にまでしてくれた。それに伴って、老人はますます若々しくなった。
しかし、私は忘れていた。老人は私の若さを受け取るが、私は老いを受け取るのだと。
老人は、次第に老いを受け取って若々しさを失った私に関心を示さなくなり遺産は別の人に渡った。
わたしには多少の財産と、教訓が残った。
不幸は伝染するのだ。
どうでしょうか。他人の影響を受けたことがあるのは私だけではないはずです。もし、不幸の伝染について似た経験があれば、返事ください。