会話がしたい。
でも向かい合うのは怖い。
“私”を“私”と認識されることが怖い。
私の形を知られるのが怖い。
何者でもないものでありながら、この存在を個性的な個、唯一の存在の個として、誰かに認められていたい。この世のどこかに存在することは知られていたい。
そしていつか、誰かに、大切にされたい。
唯一だと思える誰かを私も愛したい。
どんな考えをする人かを知っている。どんな生まれで、どう育ち、今何をしているか、どんな暮らしをしているのかを知りながら、私とあなたはお互いを知らない。
あなたの話し方の癖を、私の表現の癖を知っていても、どんな声で、どんな表情でそれを表すかは知らない。
そういう会話をしたい。そこから分かることへの理解をしたい。理解されたい。
文通かなあ。と、思ったけど、このご時世どう始まるんだろう。そういうサイトは一通り調べたけど、私の目的とは少し違うような気がする。私のようなのはそぐわない気がする。
でも書き言葉で会話したい。手紙でもメールでもSNSでもいいけど、書き表した文字でしか私は私を語れない。
でもSNSでも私はだめだ。ゆっくり、少しずつの交流ができない。通知なんていらない。文字制限なんていらない。
この気持ちは、早さを求めてはない。
咲くか咲かないかも分からない種を植えて、毎日観察するような育て方がいいんだ。
そういう世界があることを、誰かに知ってほしかった。誰かと共有したかった。