※眠剤や犯罪未遂の話を含みます。
※苦手な方は閉じることを強く推奨。
時は年末、僕の心は終末。
皆様はこの年末はどう過ごす、または過ごしただろうか。そして年明けは?(年末年始に読んでない方はこの辺りの文章を聞き流してくれて構わない)
僕はと言えば数日前まで流行り病に倒れてベッドで虚を過ごしていた。今は体調こそ回復したが何も問題は片付いていない。問題というのはそう、常備薬の残数のことである。
僕は発症した翌日、睡眠障害のため通院を控えていた。睡眠薬がないと僕は眠れないし不安から暴れ狂い何か頓珍漢で非道な行いに走る可能性だって否めない。だからこそ僕は通院しているのだが…自分の通う心療内科では発熱患者は診察を受けることができない。
普段であれば通院の予約を取り直してオールオッケーなのだが今回ばかりはそういうわけにはいかなかった。往々にして病院とは年末年始は休業し交代制で大きな病院が診察を回すことになる。一方、自分の担当する精神科医は電子カルテを病院外と共有していないようで、年末年始に空いている数少ない病院に行ったところで何かしらトラブルが発生することは予想に難くない。
僕はかかりつけ医院の予約を見た。次に診察が再開されるのはどうやら14日後のようである。残りの薬の数は5日分といったところか。つまり、僕は単純計算で9日間己の狂気性と真っ向から向き合わなくてはならないこととなる。
年末の通院予定から0日目。病に突っ伏して何も考えられなかった。
1日目、2日目も同様に高熱のまま余計なことを考えずにいた。肉体的ストレスから精神的ストレスから目を背けられたのは不幸中の幸いだったかもしれない。
3日目、4日目、5日目。ようやく回復してくるが予期不安が襲う。
6日目。不安から僕は狂い始めた。現実を直視しないように眼帯を買った。100円ショップの長いだけの殺傷力の怪しいハサミを購入した。繊維のことを無視して指紋がつかないようにという理由だけで軍手を用いてそれらを購入した。パーカーのフードを被っては詳しく顔を見られないように、肌を極力露出しないようにして赤の他人をジッと見つめて恐怖を与えた。“異常者”を形から模倣してみることで自分は実行に移さないという逆説的正常さを得たかったのだと思う。
僕は眠剤がないと容易に狂う薬物中毒者なのだろう。
現在、実行にこそ移していないが自分は恐らくキッカケがあれば一線を超えてしまえる。
嗚呼、眠剤があれば僕は静かでいられたのに!
肉体的な病に屈する自分への不甲斐なさと持って生まれた精神的脆弱性に頭を抱えるしかない。
恐らく僕の終末は始まっている。
僕は元来危険人物であり一線を超えていない(または良心により赦されている)だけなのだ。
このハサミは僕の良心が機能する限り目的外の使用をすることはないだろうが、いつ良心の枷が外れるかも予測できない。現に僕はハサミを購入しまっているのだから。
年末も年始も全ては僕にとって終末なのだ。
嗚呼、早く眠剤を手に入れられる日になってほしい。
今聞いている曲:弱肉共食 - MILGRAM ハルカ(堀江瞬)