名前のない小瓶
疲れたよね、本当に。あなたの小瓶を読んでいて涙が溢れてきました。
将来離婚するつもりで結婚したわけではないもんね。辛い日々の中で、子供の笑顔だけが支えだった私も、今は長男27歳、次男22歳になりました。何とか二人とも高校を出してやれました。
トリプルワークで週の通算睡眠時間が13時間でした。日々が必死で、どうやって生きてきたか記憶にないくらいです。やっぱり、私ももう疲れた、死んでしまおうかと思いました。でも今は死ななくて良かったと思っています。
母子家庭の貧困や、育児の負担を軽減する確たる手段は正直ありません。
乗り切るのは、母親の精神力しかないのが現状です。土手に生えている雑草を採ったり、100円の無人売店に捨ててあるキャベツの大葉を拾って夕飯にしたこともありました。自分は食べずとも、子供達にだけ食べさせても、子供の前では決して泣いたり辛い顔は見せませんでした。そうした姿勢を貫いていると、誰かが必ず見ていてくれます。そして、野菜やお菓子のお裾分けを下さったり、応援して下さったりします。けれど、困難に押し潰されて悲壮感漂う顔をしていると、みんな不幸の連鎖を恐れて近づきたがらなくなります。自らを追いやっては子供がかわいそうです。子供達が頼れるのは私しかいないのだ、と思い、最悪の数年を乗り切りました。
あの当時の心情は、今のあなたの心情そのものだと思うと、涙が止まりません。でも、どうか堪えてください。
かわいい子供達のために、どうか乗りきってください。お母さんは太陽の様に明るくしていることが、子供達にとって何よりの支えです。
私は何もして差し上げられませんが、この国のどこかで、あなたを心から応援しています。優しいあなただからこそ、悩み、傷つき、堪えられない思いになるのです。
明日のあなたに、明るい陽の光がさし、笑顔で歩いて行けますように、心から応援しております。