かなり前、路線バスに乗った時。わざとではないのに運賃を誤魔化そうとしたと決めつけられたのがトラウマになっている。
まず言っておく。私自身が悪いことは分かっているが、それでも悔しい。
ある日、私はバスに乗った。世間知らずな私は、整理券を運賃箱に入れるべきところを、バッグに入れっぱなしで運賃だけ入れて降車した。運転士からは何も言われなかった。
しばらくして、同じ区間を乗って降りる前に私は整理券を取り出して見た。そこで整理券も運賃箱に入れるべきと知り、今度は、きちんと入れた、つもりだった。しかし運転士に呼び止められ、整理券が違うと言われた。前に乗った時のものを間違えて入れてしまったと気づいた私は、その日のものを渡した。
運転士は、まるで私が別の整理券を使って運賃を誤魔化そうとしたかのように言った。違うものは機械で分かるのだと。
そう、何も知らずに整理券を持ち帰ったり、バッグに入れっぱなしにしたり、確認もせずに運賃箱に入れたりした私が、もちろん悪いのである。でも、でも、でも。聞きもせずに私がわざとやったように声を上げた運転士。整理券を見れば、区間が同じだと分かるだろう。それなのに、人を犯罪者扱いして。
今でも、思い出すだけで悔し涙が浮かぶ。二度と、同じ運転士のバスに乗りたくない。路線バスというだけで嫌だ。