毎日毎日、馬鹿みたいにネット小説を読み漁る。
毎日更新や各日更新のシリーズ物に、最近久しぶりに更新が再開されていた好きな話の続き。お気に入りの話を読み返したり、新しい小説を探すために検索方法を試行錯誤してみたり。
あれこれ探して、ひたすら読むのはいつも、酷い目にあった主人公が救われる話ばかりだった。
ハッピーエンド、バッドエンド、メリーバッドエンド。どんな結末であれ、散々苦しんできた主人公がしがらみから解放されるものばかり。
私は別に、そんな辛い境遇に居たわけじゃない。
家族は優しいし、家もお金も普通くらいはある。友達も居ないわけじゃないし、いじめを受けた事もない。
けれど、何かに救われたくてたまらない。
何一つ辛い事なんてないのに、救いの手が欲しくてたまらない。
抱き締めて、頑張ったなと言ってくれる誰かが欲しい。
大丈夫だと頭を撫でてほしい。
何も辛くないのに、つらいねと寄り添ってくれる誰かが欲しいのだ。
そんな擬似体験の為に、私は今日も小説を探す。
救われたい私の代わりに辛い思いをして、誰かに救われる存在に共感するために。