多くの人々は「この世の中は,人生は理不尽だ」とか「人生において楽しみが苦しみに勝ることなんてない」などという.ならばなぜ子どもをこの世に産み落とし,その子どもに理不尽や苦しみ,さらには悪に満ちた人生を押し付ける必要があるのか問いたい.いま生きている自分自身でさえ生きるのがしんどいと感じる人生を,なぜ子どもという他人に押し付けるのだ?これはある意味,自分自身ではない他人に苦痛を与えているのと変わりないないと思うのだが,気のせい?この考えについて論理的な筋が通った反論をもらったことがない.いただく理由の中で多いのが「当たり前だから」とか「本能だから」とか.残念ながら,すべてにおいて人生に縛り上げられる子ども自身の視点がない.すべて親の視点で全く説得力がない.不幸はあったら大問題であるということに疑問の余地はないだろう.これに重ねて幸せはなくとも問題はないというのなら,幸せも不幸もない,いや,そもそもそのどちらも知らないで幸せを追い求める必要もないほうがいいのではないかと.自分自身はもちろん,他人も傷つかずに済むのだから.本当に人のことを思うからこそ.