私、現在36才。同人誌の存在を知ったのはたしか小6くらい。
こんな不思議なものがあるんだと思った。秘密クラブの会報のような。描かれている内容もそうだけど、同人誌という存在にすごく憧れを感じた。
きっと私も高校生になったら同人誌を作るんだ、と思ってたけど、想像力に乏しい人間なので、4コマひとつ完成させられないまま大人になり、漫画やアニメといったおたく趣味への関心も薄れていった。
でもなぜか同人誌というものへの憧れはうっすら残っていて、あー、私、結局同人誌は作れないまま一生終わるんだなーと時々、ほんの少し切ない気持ちになったりした。
去年コロナ禍で、暇だったのでちょっと縁があって観たアニメ(旬ではない過去のアニメ)のとあるキャラ達(カップリング)にはまって、妄想が浮かんできて、このキャラ達の漫画なら描けるかも!と思い、二次創作スタート。
見よう見まねで漫画を描いた。あまりメジャーじゃないので、そこまで神がかり的にうまいような人もいない(ように見えた)から、私でもイケる、と謎の自信があった。
長くなってしまうからはしょるけど、それから何度かオンラインに漫画を投稿、オフのイベントに2回参加(それぞれ新刊出した)した。
そして、憧れていたイベントだけど…2回とも、本当にみじめになって、終わった後の数日間は食事も喉も通らなくなるくらいの自己嫌悪に陥っただけだった。
自分で描いてみて、そして印刷されたものを手にしてみて、初めてわかることってあるんだな。
さっき、メジャーじゃないから神がかりにうまい人はいない、って書いたけど、その人たちでさえ、いかに上手いか、自分でやってみて初めてわかった。
これくらいなら自分でも…なんて思ってた私の、なんて自惚れていたことか。本当に恥ずかしい。
狭い界隈だったので義理買いがあって、一応2桁は売れた。でも、本当に欲しくて買ってくれた人、多分一人もいない気がする。
本当にいたたまれなくて…すみませんこんな本買ってもらってしまって…ってすごく卑屈な気持ちになった。
(でも1冊も売れなかったらそれはそれでキツかったと思うしな…)
下手なまま辞めるのも…と思って、2回目のイベント終わってからも少し続けてたんだけど、もう、3回目出るの怖いし、当初のような萌えて楽しく描いてる感じじゃなくて、何かと戦ってるような感じで苦しくて…ってときに、通販で買った本がすごく神本で。
その本の作者の人の漫画、活動し始めた頃にネットで見て、あーこのレベルなら私も描けそう、なんて少しバカにしてたんだけど、とんでもない。
今流行りの絵のように、分かり易い上手さじゃないというだけで、すごく絵も漫画も上手い人だった。
なんでこんなにレベルが違うことに気づかなかったのか…もう、自分が恥ずかしくて、情けなくて。
その本がすごくよかったから、「あー、もう私、この本さえあればいいわ…」と思ってしまって、同人を辞める決意をした。
(というか、苦しすぎてやめる理由がほしかっただけかもしれない)
結局10ケ月ちょっとの短い同人人生だった。
なんかに憧れ持つときって、一部の輝いてる人(同人なら上手くて人気の人)基準で見ちゃうよね。積み重ねてるものとか、才能とか、全然違うのに。
36にもなって下手で恥ずかしい漫画を世にだしてしまっただけだった。イタすぎる。10代とかならまだしも…
恥ずかしさや後ろめたさから原作が読めなくなって手放してしまったけど、最後に手にした神本はほんとにいい本なので、本棚の片隅にそっと残しておこうと思う。
119110通目の宛名のないメール
お返事が届いています
名前のない小瓶
食事が喉を通らないほどのショックを受けたのは主さんの目が肥えてしまったからだと思います。
目が肥えてしまって、他人との違いがわかるようになったんです。違いがわかる目を手に入れることが出来たんです。
実際、自分を下手だと思えない人は伸びしろないと思いますし…。違いがわかる人はそこまで持っていけることができる可能性を持っているんじゃないかな。
私は、漫画を描きだしたばかりの人の、拙いけどパッションだけはある、みたいな御本すごく好きで、そういう本はずっと手元にとってあります。逆に絵が上手くなってきちゃうと冷めちゃったりして買わなくなってしまいます笑
なので、一概に下手なのは悪くとらえないで欲しいです。漫画って上手い下手だけじゃないです。主さんの思いは絶対に伝わってると思います。
ななしさん
私も主様と同年代で描き始めた者です。居た堪れなくなる気持ち、わかるなぁと思いました…でも私は上手い下手よりも「何か描きたい(書きたい)ものがある人」が同人活動をしていて輝いてみえるのだと思います。そして主様も、きっと最初に出された本は、主様が描きたくて描いた同人誌だったのかな、(と文面から想像しました)…なのであなたの活動も短い間だったかもしれないけれど、他人から見れば輝いていらっしゃったんじゃないかなぁ。私は上手い下手よりもそういう気待ちで作られた本が読みたいです。主様の本を買われた人も、義理じゃなく、やったぁこのカプの新刊がある!って喜んで買われたんだと…私は思いますよ。
主様も何かきっかけがあれば、ハマったジャンルでまた好きなものを描いていてほしいなぁと思います。勝手な意見ですが、無理のない範囲で。誰かの救いになってるはずなんですよ。
素敵な同人誌に出会えると幸せですよね。
ななしさん
何事も実感してみないとわからなくて
理想だけじゃなくて需要を意識することでガラッと変われる
ナイスチャレンジ!
ななしさん
成人してからでも頑張れるのはすごいことだと思うし、もし本当にこれから先も活動されないにしても、頑張った経験はこれからの人生の糧になると思います。
恥ずかしい思い出になんてしないで欲しい…行動し達成できただけで本当に素晴らしいのです。小学6年生のあなたの夢を叶えられたんですから。どうか、誇りに思って下さい。
できたらまた、描き続けて下さい。何事も遅いなんてことはありません。
ななしさん
チャレンジした自分を責めすぎ!
下手で何が悪いの?
挑戦したあなたを尊敬します。
やらない後悔より、
やって後悔したほうがいい、
たった一度の人生。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。