人生思い返せば傍若無人ぶり。
周りを笑わされるために他人をダシに。自分がダシにされれば怒り狂う。
何よりも自分が中心。そうでなければ不貞腐れる。
不謹慎なことをつぶやいたり、突拍子もない事を言って笑いを取る。
思えば勘違いしていた、
笑わせていたのではなく嘲笑われていたのだと。
私は体は大きくなったが、精神年齢が成長しなかったクズだった。
それでも慕う友人たちはいた。こんな私を相手にしてくれた。
時は経ち、友人たちの続く婚礼や成功に独り取り残され被害妄想。
「なぜ私はこんなにもうまくいっていないのだ。私のほうが何もかも上なのに何故彼らは幸せなんだ」
心の奥底で私は彼らを下に見ていた。自分を過大評価していた。
酒の席、炭酸のように浮かび上がる恨み言、それでも彼らは笑っていた。
それが恥ずかしかった。憎かった。死にたくなった。
なによりも一緒にバカやっていた彼らが、大人になれたことが羨ましかった。
気がつけば誰とも話さなくなり、誰も知らない街で過去の自分を殺して生きている。
なにもなかったのかのようケロッとした顔で生きている。
それでも過去からは逃げられない。
糞便を出した後の猫のように砂をかけても隠せない。
記憶の底に沈めても急に浮かび上がってくる。
他の色にも染められないほど黒く腫れ上がっているから塗りつぶせない。
過去が現れるたび、わたしは、必死に逃げ回っている