その場にいてくれるだけでいい人、もしくは側にいてくれるだけでいい人。
それって侮辱。
言ってる人は気がつかないんだろうな、言われる側の心の内側に。
思いを馳せることもしないだろうな。
自分は相手に対して良いことを言ってるつもりだから。
いつもそう言われてしまう私からすれば、
「私の何を知っていて、「そばにいてくれるだけでいい人」だなんて言うの?」。
今度また言われたら、そう聞いてみよう。
そばにいてくれるだけでいい人=自分にとって都合のいい人。
だから、それ以上に相手のことなんて知ろうとしないし、
何を考え何を感じてるかなんて知ろうともしない。
そんなこと、自分が受け取る「心地よさ」の前ではどうでもよいことだから。
それって一方的な搾取だってこと、みんな気づいてないんだよね。
だって私に対する褒め言葉のつもりだから。
いてくれるだけでいい、って、それペットと同じ。
一方的に愛情を搾取して、その代わりに「かわいい、かわいい」と撫で回し、
美味しいご飯やおやつをあげることで釣り合いを取ろうとする。
その子が本当にどうしてほしいかだなんて、どこまで考えるものだろうか。
父亡きあと、母が言った。
良い子供たちに恵まれて私は幸せだ、と。
長男は仕事を休んで車であちこち移動してくれた、
患者への告知を無理やり迫る医者と喧嘩もしてくれた、
次男は私に変わってお医者さんとのやりとりから手続きから何もかもしてくれた。
じゃあ私は?
「あんたは、いつもママのそばにいてくれた」
発狂しそうになった。
いいえ! 私だって、病院や相談機関を必死で探したよ!
なのに、あんたはそのことを忘れてるし、評価もしてないし、感謝もしてない!
完全に忘れてる。
母は私には何も期待してなくて、私を知ろうともしてなくて、
ただ「ママの心を慰めるかわいいペット」でいることにしか価値を見出してないからだ。
いつだって私は「ママのそばにいるだけでいいお利口さん」。
私はあなたにとって都合のよいだけの存在じゃない!
他人と過ごすと消耗感が激しい。
相談に乗ったり悩み事を聞いたりしたあとの、自分がかじり取られていく感が激しい。
だから私はひとりがいい。
みんな自分勝手に自分の話ばかりする。
ただ話したいだけ。
話して共感というタダでもらえるご褒美がほしいだけ。
相手の心など御構い無しに。
そういう人間関係はもういらない。