人間は案外薄情なもんで、離れてしまうと思い出せなくなる。
仕草や声をあれだけ焼き付けたのに、少しずつ薄れていく。
会いたいと思っていたはずなのに、代わりを探し始める。
でもちっちゃく覚えてたり。
忘れたくないなぁって思う。消えないでほしいって思う。
多分、相手の中でも私は消えてるはずだけど、どこかで覚えていてほしい。
あんなに想ったのだから。想いを伝えたのだから。
写真はあるけど、写真は語りかけてくれない。
久しぶりに声を聴きたい。その目で見つめてほしいな。
そう思いながら、今日も少しずつ少しずつ薄れていく、
この頭が憎い。