ネットで知り合った友だち。ゲームが好きで、ときどき配信していて、優しくて聞きやすい声が好きだった。
配信者と言っても、全然有名な人じゃなかったから、距離感が近くて、メッセージやり取りしたり、配信外で2人で通話しながらゲームしたり、本当の友だちだと思ってた。
でも、ある時からだんだんうまくいかなくなって、連絡してもそっけない返事。配信は減り、遊びの誘いははぐらかされるようになって、うんと勇気を出して「会いたい」と言ったら、「リアルで関係を持つ気はない」と。
何も根拠なく付き纏っていたわけじゃない。オフ会したいみたいな発言もあったし、「辛いことがあったら会いにきていい」「どんな君でも受け入れる」って言ってくれた。嬉しかった。だけど、こうなってしまった。
仕方ない。人の気持ちなんて簡単に変わってしまう。その人だってきっと、なりたくてわたしのことを嫌いになったわけじゃない。わたしに悪いところがたくさんあったのもわかってる。
好きとか嫌いとか、そういう気持ちは自然に湧き上がってくるもので、制御できない。それがわかるから苦しい。その人を許したい。決断を尊重したい。それで、わたしだって気持ちを切り替えて自分の幸せを見つけたい。
だけど、だめなんだ。自分の気持ちだって、自分の思いどおりには動いてくれないものだから。
世界がこんなに不条理なら、生まれたくなんてなかったなって思う。恋愛ゲームみたいに、愛情をかけただけ向こうからも愛情が返ってきて、その人のそばに好きなだけいられる時代がきたら、わたしはその時代に生まれたい。