思えば彼女と私は、近くて遠い存在だった。
彼女と私はどこか似ていた、けれど決定的に違った。きっとお互い分かっていた、私達の奇妙な共通点に。まるでもう一人の自分を見ているようだった、今私達の立場には天と地の差があるというのに。
貴方は、美と信頼と羨望と注目を勝ち得た。それに比例するように人を思いやる気持ちが欠けて行き、平気で人を傷付けてしまうような事を言ってしまう。貴方を慕う(おそらく一番の)友に理不尽な物言いをするようになって、自分の間違いを絶対に認めなくなった。
私は、なけなしの美と友人と信頼を失った。代わりに私を哀れむような、形容しがたい視線を得た。あれから私は心の美しさを磨いた、必死に人に好かれるよう努力した。次第に私を認めてくれる者が現れて、私の事を親友と呼ぶ人が隣にいて、貴方に救われたと言う人がいた。あれから私は、多くのものを失い、多くのものを得た。けれど周囲の私を見る目は変わらない、多くの人から避けられ、今でもあの目を向けられる。全て自業自得なのだけれど。
貴方と私の立ち位置は、天と地ほど差がある。
貴方は「まぁ私は色々と勝ってるよね。」と少し自身気にいった、彼女の友人は意味が分からなかったのか首を傾げていた。私は彼女の言わんとすることが分かった、だって私と貴方は似ているから。どこが、と言えば答えられないけれど。
貴方に妬みが無いと言えば嘘になる、けれど貴方の最近の行動は目に余るものがある。私はそれも含めて貴方と距離をとっているのだけれど、貴方は嘲笑っているかしら、「私に嫉妬しているのね。」って。今の貴方を私は嫌いだけれど、貴方にも悩みがあるのだったら力になる。だって距離を置くだけでは前に進めないでしょ?言っておくけれど、これは自分の為であって貴方の為じゃない。私は自分の為になることしかしない、あぁ、こういうところ貴方と似ている。