「死にたい」
その気持ちが表に出たのは、忘れもしないあのとき。
学校からの貸し出しの端末で課題をこなしていた。
いつのまにか検索欄に「しにたい」の4文字が。
そのままエンターを押した。
この瞬間、大きな過ちを犯してしまったのだ。
貸し出しの端末には制限がかかっている。
当然のことながら、その検索はブロックされた。
「管理者へ報告します」
(やらかした…)
なぜあの4文字を入力してしまったのか、分からない。
何も考えずに、ただ頭から出てくる文字を入力した。
これまた当然のように、先生から呼び出しを食らった。
自分でもなぜそれを検索してしまったのか理解できないのに、先生に聞かれてちゃんと答えられるわけもない。
そして先生たちも納得してくれなかった。
以後、何度も呼び出された。
先生の時間を何時間うばってしまったのか。
そのおかげで得たものもある。
この世界にある温かさを知った。
生きるということに少しだけ希望を見いだせた。
死にたい、そう思ったことがないわけではない。
むしろ何度も思っていた。
でも、周りの人にこの気持ちを話したいと思ったことは1度もなかった。
それからは、要見守り、要指導、要注意の生徒となってしまった。
見守ってくれている安心感もあった。
だけど、こんなに迷惑をかけてしまう人間だということが、情けなかった。
あのときの先生方へ
今もちゃんと生きています。
先生方のおかげです。
あのとき支えてくれなかったら、とっくに生きるのをやめていたと思います。
改めて、「ありがとうございました。」
もうこの言葉を伝えることができない先生もいます。
でも、本当に感謝していることをちゃんと残しておきたかった。