「あなたはママといつかお別れしないといけないんだからね。」
久しぶりに説教食らった。
夏休みに突入して、成績がゴミだったからだ。
たとえ、3や4があっても、5なんてなくて、
少ないが目につくのは2。
提出物が出せてないから当然。
英語なんて大嫌い。やりたくない。
やらなきゃいけないとは承知の上。
やってた。初めは出来てた。
だんだん出来なくなったんだ。
「あなたの将来のためにー」
「あなたの人生なんだからー」
「あなたの子供がー」
「嫌でもやらないとー」
「将来もー」
「あなたなら出来ないはずないわ」
兄が全然出来なくて、苦しいぐらいにかかる私への期待。
やめてくれ。
私も所詮、兄としっかり血が繋がってて、出来損ないなのだから。
母が私の痛いところをついて、心にグサグサ刺さる。
曖昧な返事を返す度、心が重くなる。
質問されたら返さないといけないけど、上手く声が出ない。
本当は「あーはいはいそーですねー」って言いたいし、「あんたに何が分かる」と言いたい。
けど、母だって毎日遅くまで働いて、疲れて帰ってくる。母だって子供の育てかたなんて分からない。
ここまで育ててくれた事には誰よりも感謝している。
それでも、私だってそれなりに頑張っていたのだ。
部活でどんなに運動できなかった自分でも、
レギュラーほど行かなくても、控え選手1番手。
勉強出来なくても、少しでも出来るようにテスト前は1日5時間は勉強した。
それに、私の人生なんてどうだっていい。
サクッと死ねたらそれでいい。
ズルズルと長々と生きるのではなくて、明日にでも死にたいほど。
「あなたには人生をもっとチマチマ食べて欲しいな。」
なんて、言われてから説教はスタートしてしまったけど。
そもそも、私にそんなに綺麗に育って欲しいなら私じゃない子を産んで欲しかった。
もっと前を歩ける子。純粋な子。出来る子。
そしたら、期待なんて軽かっただろうし。
そんなことをポンポン考えて、最後に言われた。
「あなたとママはいつかお別れしなくちゃいけないんだからね。」
それが100倍悲しかったのか、びっくりするほど泣いてしまった。
私には祖母がいるけど、一緒に暮らしている。
それはもうこの1家では超ウザったいことで嫌われている。
けど、いつか居なくなる。
あの晩御飯はいつか、食べれない日が来る。
シワシワのあの手がムニムニできない日がいつか来る。
兄だって私より早く死ぬことだってある。
父だって確実に私より早く死ぬ。
何より、母だっていつかきっと居なくなる。
お別れしないといけなくなる。
ずっとずっーと先のことなのに、何故か泣いてしまう。
嫌だな。嫌だ。
毎日私のおふざけに乗ってくれる。
鬱陶しい位に私に「可愛い」と言う。
毎日私を怒る。
あんなに楽しいのがいつか無くなる。
悲しくてたまらない。
いつか私の周りの人は誰だって死ぬ。
実感していなかったけど、母に言われてしまうと全て気がついてしまったかのように悲しくなった。
今から母との時間はまだ、予想では何百日とある。
その1日を大切に生きていかないと行けない。
そう強く思った。
けど、そんな事実を知って暗い顔をする前に死んでやりたいと思う日が絶対にくる。
だから、またこの瓶を読みに来る。
その時だけ久しぶりに、ものすごい速さでポタポタ落ちる涙が出た。
普段泣かない私だったから髪で隠して、部屋で1時間位泣きっぱなしだった。
聞いて貰えたら、やっと涙が止まったよ。