今日は後輩の話がしたい。
私には、2、3人の仲良しの後輩がいて、そのうちの1人が、私にとってはとても大切で大きな存在なんだ。
彼女は一つ年下で役職上は私の助手。もうかれこれ4年の付き合いになる。初めは私がいじられキャラっていうのもあって、他の人よりかは少し会話があるけれどもただの後輩。私が部長になって初めて演出した舞台の時に、彼女が私に相談を持ちかけてきた。実行力も何もない私はただ話を聞いて頭の隅に置くことしかできなかった。その舞台の練習で泣かせてしまって私も彼女も自信を失い、次の舞台まで一緒に打ち解けて仕事することができなかった。
次に相談をしたのが二、三ヶ月前。私から前の相談を思い出して話に行った。もう私も引退まで半年を切った身だったので、そろそろ仕事も引き継がなきゃね、という話をした時に彼女はぽろぽろ泣き出した。そして、自分の決意と不安を話してくれた。その瞬間やっと本心を見たような気がして、今まで膜を一枚挟んで会話していたようだった私たちの仲が確実に変わった。
そして先日。今度は私が泣く番だった。同期との不和、上手くいかない演出、どこからともなく湧いてくる不安に押し潰されて絶対に後輩に弱いところは見せないと決めていたのに泣きながら色々なことを言ってしまった。後輩は抱きしめて一緒に考えてくれた。帰り際に迷惑をかけてごめん、と謝ると、「たまに話しましょうね」と背中をさすってくれた。
そして、顧問がキレた。もうどうしようもないレベルで高二がバラバラになり、その不安が後輩に伝わり、部活全体がだらけていたからだ。私は、嫌われたくなくて強く言えない卑怯な人間だ。でも、どうにかして心を鬼にしなくちゃ、帰り道そう話すと、彼女は「私は先輩が厳しくなっても嫌いになったりは絶対にしませんよ」と静かに言った。
毎日彼女の言葉に行動に救われている。良くないとわかりつつもそばにいてしまう。後輩が一緒に来てくれるのを嬉しく思ってしまう。
先輩への憧れや恋とは全然違うこの関係性になんて名前を付けたら良いのかわからない。でも私にとっては相棒だ。
こんな素敵な関係性が引退まで続けば私はなんとか頑張れるのではないかと泣きながら思う今日この頃だ。