前の小瓶でブコウスキーについて書いたけれど、ブコウスキーは父親から虐待され、容姿に自信がなく学校でもコミュ障で居場所のない子供だった。
その頃の事は「くそったれ!少年時代」にも描かれている。
大人になってからも仕事を次々とクビになり、競馬と酒と女にのめり込み(その女もキョーレツなダメ女が多い)、時々ドヤ街で寝転がる。そんな生活をしながらも、ずっと詩を書き続け出版社に送り続けた。
文章で身を立てられるようになったのは大分歳を取ってからの事だ。
それからも競馬と酒と女の日々は続く。
そういう人生から生まれた文章や詩は形式なんかクソ喰らえ!とでもいうように、わざと詩の形式を無視し、美辞麗句の類は全く無くあけすけで乾いていて身も蓋もない。
無頼派と言えば無頼派。しかし男っぽさを強調するどころか、自らのダメっぷりを一切美化する事などなくさらけ出す。
でも、そこには真実のようなものや優しさがある。
不器用で馬鹿正直な愛すべきダメ男。
生涯それを貫いてあの世に行った。
そんな風にありのままに生きられたらいいな。