育った環境と辛かった過去を憎み続けどうにもならないことで苦しみ続けて自分を傷つけたあいつのことを許せず自分の至らない点を減点方式で数え生きていても幸福を感じられない。
毎日毎日我慢と、辛抱の連続。
ちっとも楽しくない勉強をして、行きたくもない学校に行く
一緒にいたくないような嫌な奴と一緒に過ごし、世間体を保つためだけに生活をする。
そんなことをしないと、私は誰からも認めてもらえなかった。誰からも愛してもらえなかった。ありのままの私ではダメなんだ。
『もっと頑張らないと! もっと努力しないと! あいつに勝たないと!頑張らない私はダメなんだ。頑張らないと価値がないんだ。頑張るしかないんだ』
私はいつも心をすり減らし、自分を騙し騙し生きている。ボロボロになりながら心を殺し、感情を踏み潰し、悲鳴を喉の奥に閉じ込める。
そんな時私は、いつもいつも自分に言い聞かせる。
「これが普通だ」「辛いのが人生だ」「苦しむのは当たり前だ」「私なら頑張れる」「私なら耐えられる」「泣くな!」
だけど、涙を止めることは簡単なことではなかった。
「泣くのは弱い人間だ! 苦しくても泣くな! 泣いたらダメだ! 泣くな……」
そう言いながら、何度泣いたかもう覚えていない。笑顔なんて数えるほどしかなかった。なのに、泣き顔なんて数え切れないほど見た。
もう生きるのをやめたい。もう前に進みたくない。もう辛い思いはしたくない。
私がそんなことを言うと、『甘えるな』、『逃げるな』と、容赦無い怒号が飛んでくる。弱り切ったボロボロの人間に対して、手加減も慈悲も一切ない。
私だって頑張っている。こんなに一生懸命頑張っているのに。こんなに苦しんでいるのに。
私だって誰かの役に立ちたい。私だって人に感謝されたい。こんな私にだってできることがあると感じたい。
ただ一言、『君は頑張っている』そう言ってもらえたらいい。それなのに、そんなことを言ってくれる人は、ただの一人もいなかった。
「こんなはずじゃなかったんだ……」
考えても無駄だとわかっていながら、自分の人生を自分で呪ってしまう。
気づけば自分のことが大嫌いになってしまっていた。頑張りを認めてくれない世の中も大嫌い。どいつもこいつも憎くて、嫉妬が止まらない。
やめたほうがいいとわかっているのに、自分とネットの中の誰かを比べずにはいられない
他人の幸せそうな人生を見て、自分が惨めでちっぽけな存在に見えてしまう。
「やり直したい……やり直したい……」
何度も何度も心の中で呟いた。
でもどうしても勇気を出すことができない。
私が勇気を出して一歩を踏み出せないのは、失敗するのが怖いから。
一歩を永遠に踏み出さなければ、永遠にチャンスがあるような気がするから。
失敗してしまうのが、怖くて怖くて仕方がない)。
『一歩を踏み出さないから、成功していないだけ。一歩を踏み出せば、すぐに成功できる』
そんな言い訳をするために……ずっと一歩を踏み出せない………………