頑張って生きてきた。おそらく誰だって頑張って生きてる。ひきこもってる人だって、その人のできる最大限の頑張りがそれだって事で、頑張ってないわけではないと思う。
だって、人は誰だって頑張ってないと死んでしまうから。
他人より頑張ったつもりの人生。サラリーマンとしては出世もした。思う所あって退職し、独立してからも食うに困らない収入は得られている。だから来月、再来月の事には何の心配もない。だけど、来年、再来年を考えると嫌になる。一人で取引先を相手に立ち回るのは予想以上にしんどい。これが続くのかと思うと憂鬱になるが、これはサラリーマンも個人事業主も同じこと。
息子が2人いる。長男はこの春大学を卒業し、新社会人として自宅から通勤を始めたばかり。次男は進学し、東京の私立大学1年生となり、一人暮らしを始めた。幸いなことに、次男が大学を卒業するまでの学費・生活費はすでに用意できている。
自分もそうだったが…息子というものは父親とは反りが合わないものだ。だから大学生になった、大人という年代になった時点で、息子たちにはうるさい話は一切していない。たまにLINEしても既読スルーされるが慣れている。
自宅は政令指定都市、最寄り駅徒歩8分のところに一戸建て。頭金をしこたま入れたので住宅ローンもあと1年少々で終わる。
妻とは折り合いが悪い。なんで結婚したのだろう…いわゆるデキ婚だった。
大好きで大好きで、本気で愛してて5年間付き合い結婚を考えていた女性とは、阪神淡路大震災の年、あっけなく別れた。相手から別れを告げられた。全てを否定され、全てを無くしたような気持になった。努力するのも嫌になったが、仕方なく生きた。それから3年、30歳になる年に今の妻と出会い、なんとなく付き合いはじめ、妊娠が分かり結婚。もう別の人と出会うのも、色恋沙汰も面倒だったし、年貢の納め時かなと思った。
先日、妻から離婚の申し出があった。5回目だ。
夫婦喧嘩になると毎回、僕は面倒くさくなってしまうので、こちらから話しをしないようにする。その部分で頑張るのが嫌になるから。食事も家でしなくなる事が多い。どのみち、朝3時とか、妙に早い出勤が多いので、家族の朝食・夕飯に合わせるより、自分の都合で外で何か食べる方が楽だし。
息子たちはもう、僕を必要としない。自分たちで何とかできるだろう。
妻からも不要とされた。
家族の中には、もう自分を必要としてくれる人は居ないのだから、妻の提案どおり離婚するのがよいのだろう。
さて、まだ55歳。もう55歳。色恋沙汰は御免だが、年老いた両親以外、僕を必要とする人は居ない。
時に27歳の時別れた彼女を思い出す。今の妻の言動を重ねる。
頑張ってもどうにもならない事、大切にしたつもりでも伝わらない事。それらに振り回されながら人は生きていくんですね。
死にたくはないが、早くこの頑張り続けなければならない人生から解放されたいとは思う。