なんか、怪しい教本のタイトルみたいなラベルしてますね。
自分でも馬鹿げた話だと思います。
でも、忘れてしまうと嫌なので書き記しておくこととします。
いつものように、苦しくて眠ることができなかった夜の話です。
少し前から「夜になると気持ちが沈み込んで泣いてしまい、気づいたら朝になっている」という流れが日課となっていたのですが、この日はやけに心臓が重くて、思考が止まりませんでした。
頭の下の枕を腕の中に手繰り寄せ、横向きになり足を丸めて、夏なのに布団をかぶって泣いていました。
枕に顔をうずめ、声を押し殺しながら泣いていました。
泣くときに寄り添ってくれる存在が欲しいからと、スマホで音楽をかけていました。
その音に縋っている時だけは、泣いていい気がしました。
たまには違う曲でも試してみようか。
苦しくて泣いている割には冷静な頭でそう判断した私は、乱列されたおすすめをスワイプして、どれが気になるかを自分に問いかけていました。
その時に「僕の青春時代の話をしよう」という曲を見つけたのです。
はっきり言って、他人の青春時代なんかまったく興味なかったはずなのに、私の指はすでにその曲に触れていました。
そして、脳に入ってくる歌詞に、私は衝撃を受けることになったのです。
歌詞の内容が、私の青春時代ととても似ていました。
普段、歌詞の内容に自分を投影することはありましたが、今回はあきらかに解像度が違った。
昔の自分を見ているようでした。
朝は食べなくても大丈夫だと笑顔で嘘を吐き、学校へ向かった自分。
下校の道のりで、周りの人たちに追い越されていく自分。
駅のホーム前で、頭が動かなくなり飛び込みそうになった自分。
そんな自分が、確かに見えたのです。
どういう事だろうと混乱していると、今度は明るいことを歌いだしました。
でもそれでよかった。
やめなくてよかった。
だって、僕の人生がこんな終わりじゃ嫌じゃないか。
そんなことを歌いだしたのです。
昔の私が、笑顔でそう歌ったのです。
私の目をみて、私の心に触れるようにして。
まるで、すべてを包み込んでくれるかのように手を差し伸べてきました。
私は、昔の私の腕の中にいました。
ありがとう。
そう言いたいのに、うまく舌が動かない。
でてくるのは、嗚咽と涙だけでした。
それでも、私は静かに抱きしめてくれた。
その小さな体で、大きくなった私を全身で包み込むようにして。
私は、真っ白な無の空間で、昔の私に泣きついていました。
次に目が覚めた時は、すでに朝になっていました。
心のわだかまりは、初めからなかったかのように跡形もなく消えており、心が気体のように軽くなっていました。
あの時に抱きしめてくれた私は、きっと夢の中の出来事なのでしょう。
もしくは、心の防御装置が見せた幻なのかもしれません。
それでも、あの子はとても暖かかった。
とても、優しかったのです。
多分、もう一度会うことはないと思います。
初めて聴くという経験は二度とできませんから、会いたくても会えません。
でも、いつかまた夢で会えたとしたら。
今度こそは、ありがとうと伝えたいですね。
ここまで読んでくださったあなたに、心から感謝いたします。
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