いい人と言われ続けて来た。それはどうでもいい人・都合のいい人という意味で。異性関係も仕事でも何をしても上手くいかない。

私には人として、男としての魅力や価値が無い。

かっこいい、背が高い、スタイルいい、とお世話かも知れないが言われる事はあったけれど好きな女性からはタイプじゃないと言われて振られた事しかない。
好きになって欲しい人には見向きもされなかった容姿が嫌で仕方ない。
優しいですね、真面目ですね、誠実ですね、話し易いですね、いい人ですね…はもう聞き飽きた。本当にそう思うなら付き合ってよ…
そう言われる度にああ…私には特筆出来る魅力無いんだな、適当な当たり障りのない事柄を並べるしか無いんだな、と嫌になる。
どうでもいい人、都合のいい人と正直に言ってくれた方がまだいい。
仮にお世辞ではなく本当だったとしても１番認めて欲しかった人から何も評価されないのだから、他の人にどれだけ褒められても意味が無く虚しいだけ。

自信を持て・自己肯定感を持て、と言われるけれど振られた事しか無いので自信を持てる訳が無いし肯定できる筈がない。
好意が分かった途端に逃げる、気持ち悪がられる、露骨に避けられる事もあって、どうやって自信を持てと…
自分を認めてあげて、とも言われるけれど認めれば好きな人が振り向いてくれるの？大切に思えるパートナーができるの？私が好意を寄せる人は皆私の事なんかどうでもいいと思っているのに？


仕事でもそう。
今の職場はトラブルがあると殆ど私の所に相談が来る。
それは私が優秀だったり人望があるとかでは無く、他の人達があまりにもアテにならないから消去法で１番話がし易い私の所に来るというとても消極的な理由。
それでも自分は頼られてるんだ、と言い聞かせていたけれど、どこかで都合良く使われているだけなのでは？という気持ちがあった。
好きだった女性の 仕事では頼りにしてます、と言う言葉は辛かった。どれだけ頑張ってもただの同僚以上の目では見てくれない、男としては意識されていないのが分かったからやはり自信にはならなかった。

そういえば以前別の同僚の結婚式によく皆で遊ぶ同期で私だけ呼ばれていなかった。話を後から聞いて少し驚いたと同時に何か悲しいとは違う違和感を覚えた。
式予算や席数の関係もあるだろうし部署も私１人だけ妙に離れているからなのだろうか。呼ばれなかった事が悲しいという訳ではなく、何となく壁・疎外感の様な物を感じた。
もっと人柄が良かったり人望があったらこんな事は思わなかったのだろうか。
やはり面倒な時だけ都合良く頼って使い捨て、問題が終わった後はどうでもいいと思われているのだろう。

昔からどこに居ても扱いが雑だった。
いつも嫌な役、汚れ役を押し付けられていた。当然それをきっぱり断るがそうすると、あいつが和を乱す、自分勝手な奴だ、と私が悪者にされるのが常だった。逆に少しでもいい思いをしそうになったら必ず妨害される。

亡くなった恩師や祖父母に言われた「お前は人が良すぎる」「優しすぎる」が呪いの言葉に聞こえてくる。私はそんな善人では無いが…
昔から思うのは心から好きと思える人と付き合って、楽しい思い出を作り穏やかに過ごしたかっただけ。
それが私の１番の幸せだったのにどうでもいい人のまま叶わない。