私は知らない誰かに恋をしてる
顔も名前も声も姿も何も分からない
ただ分かるのは彼の気持ちだけ
はじめは、自分の気持ちに混乱した
好きなひとなんかいないはずなのに心が苦しくて、切なくて、愛おしい気持ち
無理やり誰かに気持ちをあてはめてその人を好きなんだと思おうともした
けれどやっぱり違うんだってわかってた
だけどそれなら私は誰に
恋をしているんだ、と私は苦しんだ
そして分かった知らない誰かに私は恋をしてるんだって
この気持ちを認めたのはだいぶ前のこと
それから私はその恋の相手が出てくる夢をみた
はじめて私は彼に会った
夢の中だけれど会った瞬間に気持ちが通じ合うのを感じた
これまで味わったことのない幸せな気持ち
この瞬間を失いたくない、そう思った
けれど私達の恋は許され
なかった
すぐに追っ手が来て、彼は私を奴らから逃すために私を先に逃げさせ、自分は追っ手に立ち向かっていった
私は泣いた
泣きながら走った
私に愛しい気持ちを残して、また彼はどこかへ行ってしまった
そこで目が覚めた
顔には涙がつたっていた
それから何度か彼の夢をみたけれど、現実の世界でまだ私は彼に会っていない
私には分かる
彼は運命の人