新宿。
早朝のバスターミナルは薄暗く、人影はまばらだった。
いろいろな行き先の長距離バスがある。
路線図を見上げて、ぼんやり行き先を考える。
河口湖。
ここだ。
だんだんと明るくなり、
バスターミナルは混雑し始める。
警察が巡回してるのが気になる。
捜索願いは出されてないとは思うけど、
なんとなく下を向く。
別に警察は僕を探しているわけではない。
走り書きをして切り刻んだキャンバスを部屋に置いてきたことを思い出す。
しばらくバスターミナルのベンチに座って、ただ、時間を過ごして、野良猫?野良犬?みたいな自分。
河口湖行きのバスが入ってくる!
切符を買うか?
立ち上がって、周りを見回して、
そして、ゾッとした。
このバスに乗ろうとしている人達は、子供の笑い声、楽しそうな家族連れ、手を繋ぐ男女、これから始まる旅行にみんな笑顔!
なんて幸せそうな!
幸せに満ちあふれたバスに、
とても自分は乗れない。
暗く沈んだ自分はあまりにも場違いだ。
お風呂にすら入っていない。
河口湖行きのバスに乗るのは断念した。
(今日はここまで。)
(続きは、またそのうち書くよ。)