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エチゾラム(商品名デパス)はたしかに依存性あります。
ただ小瓶主さんは現状、エチゾラムが無いと眠れない状態で、このまま服用を続けるのに不安があるんですよね。
だるさ・記憶力の低下も感じていらっしゃると。
本来、睡眠の質を良くするには生活リズムを整えて抗不安薬よりも適量の睡眠薬をきちんと服用することが大切です。ただエチゾラムは短時間作用型で薬効が強いので、処方された患者さんは有難がって、御守みたいにして飲んでしまうんです。
かつ、身内に整形外科や内科にかかっていてエチゾラムを飲んでいる人がいるような環境だと、エチゾラムのリスクを過小評価してしまうことが多々あります。
「へぇ、お母さんも肩こりでデパス飲んでたんだ」みたいに。
いま飲んでいらっしゃるエチゾラムが退院後処方(入院中の薬を継続して飲んでいる)なのであれば、もうエチゾラムは卒業していい頃でしょうし、これ以上は漫然投与・濫用になるんじゃないでしょうか?
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬のうち、エチゾラムをはじめとする短時間作用型のものは薬効のピークは1時間にも満たないのです。様子見の期間をある程度過ぎても効果がないと分かったら徐々に減らして卒業し、長時間作用型の剤に替えていかないとどんどん癖になります。
癖になる理由としては最高血漿中濃度に達するまでの時間 Tmax と半減期 T1/2 が大きく関わっています、詳しいことは主治医にお尋ねください。
同じベンゾジアゼピン系の剤でも、抗不安作用の強いもの・筋弛緩作用の強いもの・催眠作用の強いもの(いわゆる睡眠薬)と分けられます。ご存知の通りエチゾラムは前の2つを併せ持つ薬ですので精神科以外でも幅広く使われて(乱用されて)いる側面があります。
変な話ですが、肩こりが酷くて整形外科に相談したらエチゾラムを処方され、何日か服用したあとに再び整形外科に行く途中、車で事故を起こしてしまったという人を知っています。
エチゾラムは向精神薬の指定を受けていますので、当然自動車保険も下りず、本当に大変な思いをしたと話していました。
少し内容が逸れました。
中途覚醒を抑え睡眠時間をしっかりと確保したい場合はニトラゼパム、翌日の眠気の持ち越しを避けてシャキッと動きたい人にはロフラゼプ酸エチルといった処方も考えられますね。
何よりも寝付きの良さが大事だという場合は、非ベンゾジアゼピン系のラメルテオンやスボレキサントなどを使う方法もあります。とくに依存性の心配がある方には適していると思いますが、悪夢を見たり一過性の健忘が現れたりすることがあるので、それで生活に支障が出る方ですとベンゾジアゼピン系の剤が合っているのでしょう。
お大事になさってください。