僕の祖父は物凄く口が悪くて、自分の思った通りに行かないとすぐに相手を罵倒する。祖母が怒鳴られているのは毎日のことだし、母が料理をすると小声で嫌味を言う。人に対しての態度は最悪で、常にマウントを取ろうとするし、会話は大抵否定から入る
そんな人でも、孫は可愛いのか僕にだけは優しかった。だから、10歳そこらで、両親と祖父の中が悪い事に気付いたときは参った。あの時は祖父がそんな人だって知らなかったし、母が苦しんでいることに気づきもしなかったから、何で仲良く出来ないのかと悩むことも少なくなかった
母が部屋から出なくなったことがあった。精神的な疲弊が積み重なった結果だった。祖父はそのことに気づきもしなかったけど。自分の娘を心配することはなく、罵倒するばかりだった。今振り返れば、自分にも何かできたのではないかと思う。母に何もできなかったことへの罪悪感は常にあるし、何より祖父や母のトラブルを一身に背負っていた父に申し訳なかったと思っている。加えて、僕は手のかかる子供だったから苦労も絶えなかったと思う
そして、僕自身もここ最近まで精神が参ってしまっていて、父に重ねて迷惑を掛けた。この恩はいつか絶対返そうと思っている。だからどうか、それまで父には生きていて欲しいし、元気にしていて欲しい。祖父との関係も、何かの弾みで変化していけば嬉しい。でも、もう難しいかなとも思ってる。人を大切にしない人だから。多分寄り添うとか、分かりあうとか、そういうことを知らない人なんだろう
辛いけど、祖父は変われないだろうし、僕も散々母を苦しめた祖父を許せないと思う。どうしようもないんだろうな、って諦観するしかない。むしろ、これまで頑張ってきた父に報いるために僕も頑張っていくべきだと思ってる。今の自分にとっては、何よりもそれが一番重要な気がする