駅のホームで風を浴びる。
「うわ、寒…。」
せめて少しでも暖を取ろうと、上着の前を合わせ、両手を擦る。
10月にしては寒いな。そういえば、今週一気に冷え込むんだっけ。
そう思いながら、ポケットから手袋を取り出す。
『3番線に列車が参ります。黄色い点字ブロックまでお下がりください。』
俺の通っている「霹靂大学附属中学校」は、偏差値日本一ということで有名だ。
父さんも母さんも、学歴・職業ともに一流で、俺にも同じ人生を歩ませたがる。
…というと、教育虐待って思われるかもしれない。
でも、俺にとってはこれが良いんだ。
何故なら俺は、将来を考えられないくらい、空っぽな人間だから。
ただ学校っていう社会だと、こういう人間が評価されるんだよな。
「ふえぇぇぇぇん!!!!」
降りた駅のホームのどこかから、赤ちゃんが号泣してる声が聞こえる。
視線を向けると、お母さんと見られる人が周りにペコペコ謝っていた。
その光景を見たくなくて、改札へと背を向ける。
「すみません…!すぐ泣き止ませます…。」
それを見ている人たちの纏う、灰色の空気が苦しい。
『ピピッ』
うわ、最悪。ICカード残金切れじゃん。
後ろのサラリーマンの舌打ちが聞こえる。
「あ、すみません。」
慌てて列を退く。
今日、ついてないなぁ…。
「兄ちゃん、ちょっと時間ある?テレビの取材やねんけど。」
中学へ歩いていると、声をかけられた。
スタッフと思われる数人と、関西弁の二人(芸人?)に声をかけられた。
「僕ですか?」
「そうそう!中学生?頭良さそうやな!」
「顔も二枚目やな!ほんま羨ましいわ〜」
面倒だけど、どうせ5分程度だろう。受けることにした。
「え、中学どこなん?」
「霹大附中です。」
「霹大附中って、あの偏差値75の?!」
「75ってやばいやん!兄ちゃんほんま?!」
みんなと同じような反応。慣れてるけど、なんとなく居心地が悪い。
「俺ら大阪出身やねんけど、東京って怖ない?」
「怖い、ですかね…」
「怖いっていうか、みんな同じ色してんねん!分かる?」
「せやねん!灰色やねん!みんな辛気臭い顔して歩いとるし。」
…。
「すみません。僕時間無いんでここらで。」
「あ、遅刻寸前やったんか!呼び止めてすまんな〜!」
「学校頑張ってきや〜」
灰色。俺がさっき感じた色。
多分、俺も灰色の雰囲気で、辛気臭い顔してるんだろうな。
意味もなく空を見上げる。
淀んだ灰色…ではなく、澄んだ水色だったのは、最高の皮肉だ。
217862通目の宛名のないメール
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お返事が届いています
nanaha.
(小瓶主)
こんさんへ
お返事ありがとうございます!
お褒めいただけて本当に嬉しいです✨️
日常のシーンなので、つまんなくなってないか心配で…💦
「楽しかった」「素敵」のお言葉に安心しました!
続きもう書けてるので、流れたらURL貼りますね!
ぜひ読んでいただけると幸いです😄
kitsune
ななさん!プロローグ読んだときからわくわくしていましたが、やっぱり読んでて楽しかったです。
ななさんの物語は素敵だなぁ、、と思いながら読んでました!!続き楽しみにしてます!
続きが出たら、感想送りますね
nanaha.
(小瓶主)
月魔知兎🌕️🐇さんへ
お返事ありがとうございます!
僕にとっても、書いてて
「75ってどういうこと…!?」
ってなってましたw
ただ、個人的にこういうキャラが大好きで😊
アンニュイ、それだ!
瑠唯にぴったりで、語彙力に感服しました…。
そうですね、ついてない日って何してもだめなんですよね…。
楽しみのお言葉、本当にありがたいです♪
もう少し時間がかかるかもしれませんが、待っていてくださると光栄です!
月魔知兎🌕️🐇
つきまちうさぎ🌕️🐇
偏差値75……!?
なんだか ウサギには、遠い世界の住人かのようです。
🐰💦
でも、天才肌のキャラって すごい魅力的ですよね!
それに、少し アンニュイな感じも タイプかもしれません😆
ありますね、こういう『ついてない日』って…。
はたして ここから どんなストーリーになってゆくのか、楽しみです!
📖 🐇~♪
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