人間は個体それぞれが独自の脳をもっていて、誰ともつながっていない。
よく言われる通り、どんなに思いやりがある人でも、他人の歯痛を感じることは出来ない。
どこまで行っても、それぞれが徹底的に一人ぽっち。
それが人間という生き物のデフォルト。
生活上のメリットがあるから群れをつくるようになっただけで、それによって各自の内面の一人ぽっち状態が解消されるわけではない。
群れのメンバーの神経組織が統合されて、全ての感覚を共有できるようになるなら話は別だけど、そんなことは起こらない。
にも拘わらず、
「群れの構成員=分かり合える、つながっている」
という幻想を持ち始め、この幻想が強固であればあるほど、
「群れの生産性が高まる」
→「生産性の高い群れは他の群れよりカースト上位になれる」
というので、その幻想を信じることを互いに強制し始める。
これが俗に言う同調圧力。
もともと一人ぽっちなのだから、物理的にも一人ぽっちでいる状態が
「正直な状態」
とすれば、群れに所属して群れの価値観を共有し、彼らの一員としてふるまうことは
「嘘の状態」。
「内面の真実の姿」
と、
「体の表向きの姿」
の間に矛盾が生じる。
社会人になり、同調圧力の低い、あるいは殆どない仕事で経済的に自立できれば、この矛盾はほぼ解消できる。
「正直な状態」で大半の時間を過ごせるのだから、気持ちは平穏そのものだ。
未成年だと、家族と学校という群れへの強制参加から逃れる方法は、まずない。
本来あるべき一人ぽっちの状態を確保することは、ほぼ不可能だろう。
つまり、日々、「嘘の状態」で長時間を過ごすことになる。
これで精神疲労を起こさないわけがない。
人に傷つけられて、本当は、
「人から離れて自分で傷を舐めて自然治癒を目指す」
治療法の方がいいのに、
「闇雲に人の中へ中へと深く潜り込んで、傷を悪化させる」
行動特性の人が沢山いる。
これも多分、未成年の間にあまりにも長い間「嘘の状態」で居続けた結果、
「一人ぽっちという正直な状態」
が、
「未知のもの、即ち怖いもの」
になってしまったことの弊害の一種なのだろう。
経験がないから、自分にちゃんと自然治癒力が備わっていることを自覚することも出来ないのだろうし。
一人ぽっちがもたらす平穏、平穏の中でしか醸成されない豊かさも、知らないままなのだろう。
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