3年生になったことで学校に「いよいよ受験期」みたいな空気が漂い始めた。一応勉強をしてみるものの趣味の時間が削られていってしんどいし、高校受験と同じような苦しさがこれから1年弱続くのかと思うと気持ちが塞いでくる。
逃げたくなるけれど、自分の理想の将来を実現するために始めたことである以上、逃げることは本望じゃないことぐらい分かっていた。
やり場のない不安とか怒りとかそんな感情に包まれて、どうしようもないその感情を自分を傷付けることで発散しようとする。繰り返しているうちに、ぼんやりとした希死念慮が顔を覗かせていた。
「いっそ死んでしまおうか。」
「どうせ死ぬなら最後に好き勝手やって、綺麗な景色を見て、美味しいものを食べて、それからがいい。」
そんなことを考えていた。
そして気がついた、自分はいつでも死ねることに。そもそも他人に生きることを強制される筋合いは無いし、自殺を止めることもできない。生きるか死ぬかを決めるスイッチは常に自分の手の中にある。
考えてみれば当たり前のことだけれど、未来を逃れようのないものと捉えていた俺にとっては充分すぎる救いだった。
生きるのがどうしようもなく辛い。そう感じるまでの間、もう少しだけ生きていようと思う。
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