Kへ
あなたのこと、ずっと嫌いでした。
私には「親友だよね!」と言っていたあなたが、裏で私のことを「ダサくてつまんない」と言っていたのを知っています。
私には「髪切ったんだ!いいじゃん!」と言っていたあなたが、裏で「切ってもブスは変わんないよね」と言っていたのを知っています。
私はあなたよりブスです。
スタイルも良くありません。
地味だし、話も下手だと思います。モテません。
笑い話にされているのを、私は知っていて、それでもあなたと一緒にいました。親友と言い張るテンションに引きずられるようにして。
一緒にいる時のあなたは優しくて明るくて、いじめもなかった。多分、優越感だったんでしょう。私は何もかもあなたに劣っていたから。
高校卒業と同時に、私はあなたと距離をとりました。あなたの方も大学生活に夢中で、すぐに疎遠になりましたね。
元々性格の違う者同士、このまま自然消滅していくんだと思っていました。
そのあなたから、結婚式の招待の電話が来た時は驚きました。
随分慌てていましたね。お願いだから来てと繰り返し、あげく何年も連絡を取り合ってなかった私に友人代表のスピーチを頼んでくるなんて。
その場では保留にしましたが、後から色々な話が舞い込んで来ました。
高校の友人、大学の友人、バイト時代の友人、職場の同僚、習い事や趣味サークルの仲間。
皆から結婚式の出席を断られたそうですね。
メールで私も欠席しますと送った後、何度もかかってきたあなたからの電話。無視してごめんなさい。でも行きません。
あなたの周りには、私と同じような人がたくさんいたのかな。
社交的で友人が多いように見えていたけど、実は皆、私と同じ目にあっていたんでしょうか。
友人席が埋まらない結婚式とはどんなものでしょうか。
今はサクラも依頼出来るから、そんなに困らないだろうけど。