暗く凍った時のなか
光を描いてくちずさむ
思い通りにならぬ身体が
僕の歩みを止めていく
見上げた空も、
輝く雫も
それはそれは 綺麗だった
忘れることを許しておくれ
瞳に映した せかい
風は三度巡りまた秋がやってくる
幾度となく問うた、まだ答えはこない
何を探していたのかも、
忘れてしまうのだろうか
きみはただ、何も言わず
静かに前を見つめていた
声の限りに叫んでは
涙を枯らしても、求めた
かすかな記憶を頼りに
どこへ
向かったんだろう
動かない心に、気のない笑みをのせて
「僕は荒んでいるから」
歌うのをやめた
風が三度巡りまた秋がやってきた
悲しみを胸に沈め僕は旅に出る
孤独な浜辺を歩み、文を浮かべたい
きみの命をないがしろにしていいものなんて
何処にもあるはずがなかった
帰り着いた空を見上げ
僕はまた、くちずさむ
hatose