君の手を握っていた
ひとりのときも
意識のなかで
眠るゆめのなかでさえ
ひとりにしないでって
ちいさな子が親の指に
必死にしがみつく
ひとりにしないでって
まもられているから
ここまで泳いできなさい
ゆびをはなしたひとは
大きく手を広げて
宇宙に放り出されたわたしを待つ
ああ
これが
もとめている
あんしんというものか
何も語らぬ
ただの生きざま
その背中を見て
そのいびつさに安堵する
胸の内で ゆびはつなぎながら
すこしずつ
泳ぎだしてみる
すこしずつ
胸の内のゆびもほどけるころには
きっと、真横で
やぁ!遅ればせましたって
和音を奏でているんだろうな
平行して旋回する
紙飛行機みたいに
嵐の日でも
目に映る窓の外はいつもあかるい
並んで初めて
音は始まるのだ
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