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44459通目のつづき)
研修の時点で、2人脱落していたということを知ったのは
10日も経った頃でした。
研修時、となりにいた若干右往左往おじさんも
二日めで消えていた。
そのおじさんが聞いていたおじさんというのもいて、
この人はわたしより、さらに物覚えがだめなひとで
(ということは、やめたひとはもっとわからなかった人なのか)
だれに対しても気弱なサブリーダーの人にまで
目を付けられて、結局研修終わって、本番が終わるまで
安い扱いを受けていた。
(ひどい!)
わたしは、その上のポジションのリーダーというひとから
研修の指導を受けていて(不運)
これまた、目を付けられてしまい、
ある日、ほんとに、パソコンがわからなくて
目に涙がたまる事件が起き
(だれにも見せぬが)
この年齢でこんなことが起こるなんて・・という
ことの方がショックだった。
だれが悪いというわけでもなく、
わからない、という純然たる事実がここまで
つらいのか・・ということ。
寸分違わず後者ということ、見たくない自分の面
あえて、補おうとすることを放棄して
ほんとの自分を見てやろうという自分も居て
みてやった。いいチャンスだし。
いろんなごまかしていた気持ちを思い出した。
補おうとする行為で、出来ない無力な自分から
目を逸らしていたのですな。
つらい気持ちで帰りのバスに揺られましたがね。
でもわたし、そこから何かを拾おうとするとこもあるので
少し落ち着いてから
「でも、おれ、だれの奴隷でもねーし!」
人格攻撃と混同してはいかん!ときりかえて
自分なりにこつこつやった。
でも、この一か月、この仕事をしながら
自分は相当幼い時点から間違えてきていたことはよくわかった。
珠算教室で、あそこまで、ぎゅーーっと
力を入れて間に合おうと努力していた無駄な力の入れっぷりと
同じやり方でずっと生きてきていたのだなぁ。
わたしは、手の遅さを、しゃべりがごまかせたのだが
おじさんは、しゃべりもだめで、
ついに、勤務最終日から数えて二日前の午後、
わたし、となりだったので、
おじさんは全然しゃべんないというなぞの時間が流れる。
電話ジャンジャン鳴ってるのに・・
「お?なんらかの、会社への反逆か?」と
少しこわくなってきて1時間も経つ頃にはさすがに
「なんだかゆったりされてるんですか〜?」と
話しかけたら、電話来ないんだよね〜と言うので
「ストライキしてるのかと思った」というと
「そんなわけないでしょ!」と言われたので
あーそうなのか〜と、ちょっとホッ。
(これ、わたしのダメなとこ。他人の不機嫌をみると
自分のせいかな?と思ってしまう時がある)
なおすぞ!
やんわりSVに聞いたら
意図的に電話を切られて(セーブされて)しまったらしい!
おじさんは、僕は問題児だから〜と笑っていた。
「わたし、なんでこれやってんのか、理由がわからないのに
言われたことだけやれや、と言われてやるやり方では
あたまに入らないんです。ある意味応用きかないし。
マニュアルぽいのはそれで苦手なんです」
と言ったら、おじさんもそうだと言ってた。
このくだり、チクられたのかもしれん。
そのあと、わたしも電話セーブされたから。
で、あたしもバカで、そんなかんじで
励ましたら飛び火。
2人とも、干されてしまった。(電話切られた)
わたしはそんとき、ああ、自分よりダメな人がいて
どこか安心していて、でも同じポジションに落とされると
途端にこわくなってしまい
不安がすごくきた。
自分の卑小さにも気づき、ああ、クズだなと
結構悩んでしまった。
おじさんは、気にすることもなく
「われわれ、干されてるのに、なんか明るいですね」というと
みてもいい会社のホームページを開いて
「これ見てるとけっこうおもしろいよ」と教えてくれたので
みてたら、おもしろかった。
なんとなく、この不遇のなかでの発想の転換力と
薬指の指輪のローリーロドキン風の彫金具合から
「もしや、なんらかのクリエーターの方ですか?」と問うと
(洋服の色合わせもきれいだったので、ゲイかな?)
「あ?わかる?」と返しがあったので
それ以上は深くは問わなかったのですが
「まりちゃん(仮)さんも、なんとなくそっち系でしょ」と言われ
右脳と左脳という、悲しい文字があたまをよぎりました。
おじさんという投影物を見て、このブロイラー養成所には
需要がない(おれもだよ)のだなぁと
でも、いるとほのぼのするので
(この人はメンタルは強いんだよ)
ああ、なんか・・
人って、自分に合った仕事、生きる場所ってのが
ほんとにあるのかもしれない、正解はいっこじゃないんだなって
知ってるつもりだったけど、
再認識。
休憩室にいくと、なつかしのマツケンサンバの指導者みたいな
おじいさんもいて(ゲイだと思う)
まりちゃんは、華があるので気に入られたようで
(自分で言う人)
高層ビルから見える車が「アレはポルシェだ」と
細かく説明してくれたが
小さすぎて、金色だなぁとしか思えなかったので
もと、水商売かダンサー風、羽振りが良かった時期もあったふうだが
いま貧乏なんだろうな〜という感じが
おもしろかった。
ヤバい!コラムじょうたいじゃねーか!
そういうわけで、お仕事の手が遅いという人も
単に向いた職種でない場所で
七転八倒してるだけという可能性もあるので
その場所にそぐわないわたし、を深追いするのは
あんまり意味がない場合もあるので
ご自愛下さいねの、小瓶でした。