どこかにいる君たちに向けて、流すよ。
僕はきっと変わったのだろう。
僕はきっと変わっていくのだろう。
それでも、
僕を救った音。
僕の愛した景色。
僕が信じた意地。
僕に託された思い。
僕を形作った全ての全て。
全部連れて行くから、心配しないでくれ。
一つも忘れはしないから、泣かないでくれ。
信じてくれ。
僕は捨てたかったわけじゃないんだ。
僕は無くしたかったわけじゃないんだ。
今のまま生きていけるほど優しくないって知ったから。
そして、それでも世界は優しいって知ったから。
愛する事の素晴らしさを、夢見る事の美しさを知ったんだよ。
世界は寂しすぎるほど広い。
その世界に足跡を刻んでも、誰も見てくれやしないかもしれないが。
だから一つだけ聞いてくれないか。
もしも、これから、苦しんで、傷ついて、涙をこらえている誰かが居たら。
ほんの少し、スプーンの一匙でいいから、優しさをくれないか。
それが僕で無い誰かでもいいんだ。
いつかその優しさが、何周も何周もして僕の元に届くと思う。
僕は手紙を読むように、嬉しい顔をすると思うから。
僕は元気でやっていくよ。
待っていてくれなくてもいいけど、期待してくれなくていいけど、
もしいつか会えたなら、きっと長い話をしよう。
朝がくるまでずっとずっと話そう。
これから先の、
僕を救う音。
僕の愛する景色。
僕が信じる意地。
僕に託される思い。
僕を形作る全ての全て。
君たちに伝えるよ。
さようなら。