まっすぐ歩いた先には、いったい何があるのかな?
なんにも考えずに歩いてみた
住んでいる区から出たわけではない
それ以上まっすぐ進むことができない、という場所まで行ったけど
右か左に曲がれば道はあった
工事を理由に引き返した私は周りを見渡しても人を見付けることができなかった
一応、十大都市のひとつ
マンションや高層ビルも遠くない場所にあるけど、あまりにも静かだった
お店もシャッターが閉まっていたり錆びていたり
挙句の果てにはガラスがすべて割れた事務所まであった
個人店や小さな工場が家の間に収まっている感じ
たまに自転車が通ったけど、なんだか私を置いていく人たちと被った
ゴミのように見えても整頓されていろんなものが積み上げられた玄関に洗濯物が揺れていた
開いているのか閉まっているのか分からない営業中の飲食店
人の姿は見えなくても機能している町並み
歩いていて、強く感じた
この町で育った私は、この町の中すら迷子のように心細くなってしまう
いてもいなくても、どっちでもかまわない存在なんだって
…明日はどの道を通ろうかな?
その道には、私の居場所があると良いな