苦肉の策の小瓶
正社員には自分専用の机がある。
パートさん達には席がないので各々自由な席に座ってもらっている。
同職種ということもあり、隣に座ってもらっていた、あるおばちゃんがいる。
しかし最近、そのおばちゃんは私の席の隣に座ってくれない時がある。
パートさんの席は決まっていないが、ある程度決まったような形になっているので、同職種のそのおばちゃんが私の隣に座ってくれないと、他の人達が椅子をわざわざ持って来たりして窮屈なうえに手間なことがおこる。
私としては、周りに手間をかけさせるのは忍びないので、なんとか隣の席に座ってもらおうと今日も声をかけた。
何度か声をかけた。
しかし、今日は座ってはもらえなかった。
席を遠慮される理由として、もしかしたら以前注意したことに原因があるかも知れない。
その人は、朝礼開始一分前くらいにいつも来るのだが、ある時チャイムが鳴ってから入って来て席に着いた。
毎回ギリギリだし、今回は遅刻に値したので注意し、ペナルティーとしてトイレ掃除を行なってもらった。
しかし、なぜペナルティーを与えたのかもわからないようで、やっつけ仕事のように終わらせていた。
掃除中に話しかけたが、彼女の心に響くことはなかった。
それからは全く注意をしていない。
自分が注意をすることである意味守ろうとしたのだが、その意味も分からないだろうから。
しかし、それからかその前からかわかないが、時々隣に座るのを遠慮されるようになった。
まぁ、遠慮なのか嫌なのかはわからないが・・・。
人の価値観は様々だ。
私は会社に早く来て、書類をまとめたりすることもあるのだが、そのおばちゃんにとっては会社に間に合えばオーケーなのだろう。
「えぇー?早く来て何するの?」
私はこの言葉だけは忘れない。
就業時間前に電話がじゃんじゃんかかってくる時があるんだよ。
これは仕事じゃないのかな?
まぁ、ギリギリ来るから絶対にわかんないことだろうけど・・・。
今の私の席はパートさん側にある。
窃盗容疑をかけられ難癖付けていきなり仕事を休みだし、最近やっと退職された元職員さんがよくパートさん達を目の敵にして攻撃していた。
その時はその人と反対側の席にいたほうが反論しやすいし、パートさんの意見を救い上げることが出来ると思って今の席で頑張っていた。
実は、今の席はあまりよくないことも起きていた。
好意であるだろうが、誰かがおかずやお菓子を持ってきて、皆に配る為に机の上に置くことがよくあった。
その後水拭きしてくれれば、文句なんて一つもないのだが、あるときベタベタのままの時があった。
それを知らずに書類を置いたら、見るも無残な形のシミができた。
それで怒ったら、私の席に座る人がいなくなった。
きっと、こまけぇーなー・・・って思っている人もいるんだろうな・・・。
でも会社の書類は、何十枚もある時があるから、一部でもシミが出来るとやり直さなくちゃいけない。
1人で書類は管理しているから面倒なんだよ・・・。
何カ月たったかわからないが、隣に座られない私としても不快であるし、私一人がいるために他の皆さんが窮屈して座っているのを見るのは結構辛かった・・・。
ずいぶん嫌な思いをしたけど、8月末日で窃盗容疑の人が辞められたので、思い切って席を移ろうと思う。
窃盗容疑の人が座っていた机は皆使いたがらないし、誰もが使いたがらない席を私が使い、元の私の席をパートさん達に開放することによって、思う存分使ってもらえるのではないかと思う。
今でも窃盗容疑の人から散々難癖付けられて、会社や管理者の不満を書いた書類を送って来ているので、窃盗容疑の人の机の上には盛り塩がこんもりとある。
まぁ、塩だけでは悪念は消せないと思うけど、散々言われ続けられている管理者が盛り塩をしたくなるのもわかる。
窃盗容疑の人の机を使うことになった時には、会社に早く来てお経でもあげることにしよう。
席を離れると、今まで一緒にご飯を食べてくれていたパートさん達と離れてしまって寂しくなる。
勿論、大好きな月の君の顔を見ることも難しくなるかもしれない。
この上なく寂しいと思う・・・。
接点がまた一つ消えてしまわないだろうか・・・。
でも、私が居なくなることで丸く収まるなら、それはそれで私なりの会社への恩返しができると変化球気味に思ってはいる(笑)
・・・これだけ書いたが少し懸念することがある。
隣に座っていたおばちゃんが、「私が嫌いだから、あっちに移った!」とまた勘違いしないかな。
大事(オオゴト)になってしまわないだろうか。
ある人にやはり相談しなければならないだろうか・・・。
今までは黙っていたが、形を変えるとなると、やはり陰のサポートが必要になるな・・・。