父を信用できるだけの余裕を持ちたい
誰から見ても父が正論で、ニートしているだけの私が全部悪いことは理解している
でも父を受け入れる余地は、私にはまだ足りないようだ
大学4年から今まで、就活もバイト面接も結ばなくて焦った私に、父は何度も投げかけていた
「この家(実家)に居て良いのは来年の3月までだ」
「内定を隠すな、税制の面で弊害があるから」
「内定が出ないのを『家事が忙しい』ことのせいにするな」
「ブラック企業だろうがお前に選ぶ余裕はないだろ」
「お前を採る会社なんてないからwwwwwww」
「正社員でもバイトでも受からないなんて、これからどうするつもりだ」
「突かれたくないなら努力している証拠を見せろ、面接先の企業の名前すら教えないくせに」
一字一句忘れられない、何度も思い出してのたうち回るくらいなら忘れたい
何と返事をしようが、どうせ何も信じないのにどうして正義面をするのだろう
いや分かってる、無職が何をがなり立てようとも無意味だと
だから今日、ついに言ってしまった
『死ぬしかないんじゃない』と
クエスチョンマークを付ける余裕すら私にはなかった
親の前でよくそんなことが言えたな、と父は私を睨んでいた
高卒で働くor専門学校卒でさっさと働くつもりだったから親に一つも相談せずに商業高校へ進んだ
高偏差値の普通科高校も合格圏内だったけれど、受ける気すら起こらなかった
入学後はそれで幾度となく両親と揉めた
両親はそれに懲りていたのだろう、色んな手を回して高卒での就職も専門学校も認めなかった
自傷癖はどんどんエスカレートし、恩師に諭されたこともあって私は方向転換した
両親が希望する大学への指定校推薦をもぎ取り、両親を安心させるために教職を学び、卒業して今に至る
『やりたかったこと』が出来ていたら、こうも燻ぶらずに済んだのかと夢想することはある
そのたびに高校の恩師の顔が、親友の顔が、数多の自傷痕が、どれも責め立てるように私自身を見ている気がするようになった
被害妄想甚だしいと自覚している
『~のため』とは、『自分のため』だと私は思う
例えば、どうしても専門学校に行きたいなら、ダブルスクールにするという方法だってあったのだ
この体たらくは全て自分に責任がある
なら、自分で幕引きをする自由くらいは欲しいと思うことは、そんなに糾弾されることなのか
ODによる幻覚も、縄跳びで首を絞めたことも、縫合レベルの自傷の内情も、両親は詳しくは知らないはずだ
まして後者の原因は父のある行いにあったのだと知るよしもない、私はその理由を誰にも告げていないから
相手を信じたから絶望して裏切られたような気持ちになった自分への罰を、みかじめ料としての自傷理由を、私を知る誰かに話すつもりなど今までもこれからもない
それでも滲み出ていた、だから父に『何匹』と数えられ、母に気違いだと称され、小学生だった妹にまで『ネジが外れた空っぽな人間』と看破されたのだろうと思う
妹にそう言われた時、小学生の私はたしかに満足したのだから
気に食わないがゆえの小突きをすっぱり止めるほど満足したのだ
「気持ち悪いほど性格が変わった、昔よりは断然ましだけど」とは妹の弁だ
自分ではよく分からないが今も滲みっぱなしなら、私は何一つ成長しなかったのだろうと思う
それを面接官に悟られたのが敗因だろうと思う
なんと先見の明があることだろうと歯噛みしそうになる
わたしが私を消そうとすること自体は小学時代からの付き合いだ
ギリギリでそれを回避してこれたからこそ今の私がある
怪我をするよう唆す声に対抗できていたから、運よく死なずに済んでいただけ
あれに抗えなくなった時が私の死期死因になるだろうとぼんやり考えている