もうすぐある国立大の修士課程が終わり、わたしは就職を決めている。
文系なので、そんなに研究テーマには関係ない職だ。分析能力を問われるものなので、収支が全く無意味というわけではないのが救いか。
2年間、なんだったんだろう、と思ってしまう。
修論は書けたけど、正直満足できる出来ではない。卒論の方がましだったかもしれない。
そんな自分がなぜ修士課程に進んだのかというと、卒論でやったテーマをもっと掘り下げたかったからで、しかし一番燃えていたのは研究計画書を書いていた時なんじゃないかと思う。
なんでも計画は楽しい。研究もそうだ。
データはうまく出てくれない。でもそれを分析するしかない。
教授は有能だがコミュニケーションが取れない。よくある話だ。研究室のみんなもネタにするレベルでコミニュケーションが取れない。(学部とは違う院に行ったので、学部時代に慣れているということもない)
よかったことといえば、ドロドロした人間関係もなく、研究仲間たちはフレンドリーだったことくらいか。
人数がそこそこ多い院だったので、人間関係が焦げ付きにくかった可能性はある。それに、全国から人が集まる上に海外からの留学生も多く、他者の文化に配慮する姿勢のある人がたくさんいた。
あの論文もしかしてあなたのテーマに関係あったりしない、とか教えてくれたりもした。息を吸うようになにもかもを記憶していた。
わたしも少しは恩返しができただろうか。
この2年間で得たものは、徹底的な自分の無知と無力感なんだけど、少しでもましな人間になれていたらいいなあ。