子供の頃からずっと何かの為、誰かの為に生きてきた。
笑いたくないのに笑って、無理をしている事にも気付かないで、最終的に心が壊れるまで分からなかった。
そうしなきゃいけない家庭環境だったから
やるのかやらないのか、初めから自分で選択する自由が無かったんだ。
大人になって自分で選択する事が出来るようになっても
今度はお金の為に、家族の為に自分の時間や気持ちを押さえ込んで仕事を続けてきた。
そんな時に職場であなたと運命的な出逢いをして
お互いに惹かれあって、笑って見つめ合うだけで幸せで。
「愛している」ってこんなに暖かで優しい気持ちなんだって初めて実感した。
辛いことがあってもこの人の為なら頑張れるって、自分を犠牲にして結局また無理をして
互いに重荷になっている事に気付かなかった。
愛しているからこそ、私のせいで傷付けたくなくて距離を置く事になった。
あなたが転勤で居なくなることは分かっていたはずなのに
何か言いたげに目で訴えていたのに追いかける勇気が無かったんだ。
私も一緒に連れて行って勇気を持って言えたらこんなに苦しまなくてすんだのかな。
今度はちゃんと自分で決めて選択したはずなのに胸が張り裂けそうに辛くて苦しい。
仕事に行くと職場のあちこちに大事な思い出が散らばっている。
あなたの照れくさそうな笑顔がチラついて
ふとした瞬間に泣きたくなってくる。
身体も壊して、もう今の仕事を続けるやる気も無くなってしまった。
今度は何かの為、誰かの為じゃなくて
自分の為に生きたい。
今の仕事も辞めて身体も元に戻して
自信をつけて本当に強くなったら
その時は笑って話せるようになるかな。