去年の四月、修学旅行に行った。
元々不登校で、面倒くさいし行く気もなかったけど、そこそこ仲がいい四人と担任に説得されたため渋々参加することに。行き先は東京、二泊三日。
二日目、班での自由行動の日があった。ちょうど満員電車の時間に当たってしまい、鬱々しい気持ちになりながらもなんとか乗り込む。
お尻の辺りで何かがモゾモゾしていた、おまけに私の後ろに立っている人は鼻息が荒く、「フーフー」と言っていた。
痴漢だと思った、どうすればいいかわからなかった。ただただ心拍が上がるだけで、どうしようもできなかった。頑張って体をひねったり、リュックで押し退けたり。
それでも駄目だった。痴漢された長さは二駅か三駅か、それ以上だったか。覚えていない、そんな事。もっと短かったかもしれない。でも、物凄く長いと感じた。その人が電車を降りる時、手でお尻をグイーと触って降りていった、
泣いてしまった、車内で。周りの人たちは可笑しい人を見ている目だった。私が可笑しいのかな?
ううん、絶対に違う。私は可笑しくない。痴漢する人が可笑しいの。
これで女尊男卑なんて、笑わせないで。痴漢冤罪だなんて笑わせないで。痴漢冤罪より、女性が痴漢された数の方が多いんだから。
私は、初めて痴漢されるまで、痴漢なんてとっちめてやると思ってた。でも、現実は違う。そんな事できもしなかった。痴漢された人は、なんで狸寝入りするんだろうと思っていた。でも、実際されると恐怖心しかなかった。
その時の姿は中学校の指定制服に白ソックス、ボブくらいの髪を下の方で結んでいた。
これを聞いた男性は、制服なのが悪い、とか言うのかな?でも決まりなんだよ?他にどうすればいいの???
ねぇ、私は嫌だよ。毎回、電車に乗る時ビクビクして、電車に乗る度その出来事がフラッシュバックして、自衛しろって叩かれて、痴漢した男性の事は全く叩かない。その男性を叩いた女性を叩く。容姿を叩かれ、行動叩かれ、理解してもらえない。
こんな事だったら、日本に生まれたくなかった。
私は、自由に暮らしたい。