10代最後の誕生日はやっぱり楽しくなかった。
母親は前日の二日酔いのせいでずっと「しんどい」「気持ち悪い」しか言わないし、私に世話させたがる。何か言うと「こんなにしんどいのにそんな事言うな」って言われる。そんなの知らないよ。
あの人は酔うとタチ悪くて、私の事を踏むし、大きな声出すし、何でもかんでも私のせいにしたがる。
父親はそんな母親を見て呆れるし、母親と喧嘩する。
今日はたまたま仕事はやく終わって帰ってきたけど、正直、喧嘩ばかりになるから遅く帰ってきて欲しい。
家の中の空気は最悪。
おめでとう、はなかった。
友達に祝ってもらったけど、プレゼント貰って、だけ。
おめでとう、はなかった。
くれるだけありがたいけど。
おめでとう、って実際に言ってくれたのはばあちゃん。
朝早くに電話かけてきてくれて、嬉しかった。
いつも通り洗濯して、掃除して、風呂洗って。
ケーキは自分で買ったコンビニケーキ。
昔はこんな事なくって、誕生日が待ち遠しかった。
色んな人におめでとうって言われて、何より親と仲よく出来てて。
大きくなるに連れて、親のいろんな部分を知ったし、世間のいろんな部分を知った。
中学高校時代はいじめられた。母親には叩かれたし、蹴られた。身体が心の変化に追いつけなくなった。
今、楽しいって思う事もあるけど、ひとりでいる時ぐらい。
10代ってこんなものなんだね。
こんな思いするぐらいなら誕生日なんて来なくてよかった。
バイバイ、18才の私。
ごめんね、19才の私。
はっぴーばーすでーとぅーみー。