自分が自分でわからない。
昔から、自分の気持ちを素直に出せない子供だった。母親からも、「素直じゃない」ってよく言われた。けど、出せないだけで、間違いなく気持ちはあった。
言い出せなくて、後悔することがたくさんあった。思っていること、なんでも言おうと思った。
なんでも言うようになった。母親からは相変わらず「素直じゃない」って言われていた。
自分の気持ちが言えるようになったわたしは、「あなたの言いなりになるのが素直なの?」と言い返した。
他にも、誰かに言いたいことがあったら、すぐに思ったように伝えていた。
とても生きやすくなった。自分が好きになれた。
しばらく経って社会に出て、いろんな問題が起きて、恥をかいて、彼氏にも呆れられた。
わたしはもう家族は絶縁し、友達も居らず、彼氏しかいなかったから、ひとりにならないために自分に嘘をつきはじめた。
言いたくもないお世辞を言うようになった。
言いたいこと気持ちを潰すようになった。
全てが上手くいくようになった。
彼氏も好きだと言ってくれた。
幸せなはずだと思った。今までずっと欲しかったものも手に入った。
けれど「なんで生きてるんだろう」という気持ちばかりが、毎日膨らんでいる。
誰もわたしを助けてくれない。
だから、強くならなきゃいけない。
わたしはブスで出来損ない。
だから、自分で認めなきゃいけない。
普通にしてたら、自分の気持ちを表したら、誰もわたしといてくれない。
だから、自分を偽らなきゃいけない。
わたしは誰だ?
嘘をつくのも疲れた。
強がりをするのも疲れた。
わたしを救う理想がどこにもないから、自分で創ってみせようと思ったけど、無理だ。
わたしはそんなに、強くなれない。
強くない。
わたしは弱い人間だよ。
最初は出せないだけで、ちゃんと気持ちがあった。
後悔して、出せない気持ちを表現するようになった。
傷ついて、癒すために、自分を嘘でも肯定した。
続けていたら、唯一愛してくれた人にも見捨てられそうになったから、言いたい気持ちに蓋をするようになった。
我慢するのが辛くて、「そんなこと思ってない」って自分の気持ちに嘘をつきはじめた。
嘘をつきすぎて、自分の気持ちがわからなくなった。
わたしはどうして、ここにいるの。
なんでここまで頑張って、こんな世界で生きているの。
「何があっても愛し続ける」理想を叶えるため?
なら今死んでも変わらないんじゃないの。
そもそもわたし、あの人のこと本当に好き?
理想を叶えたいから、嘘ついてるんじゃないの?
どれが本当で、どれが嘘?
わからないけど、死んでしまえば、何もかもなくなってくれるのは確かだ。
死にたくないという気持ちも確かにある。
けど誰も助けてくれないんだ。
わたしはひとりで、強くならなきゃいけない。
でももう疲れたよ。
助けて。
名前のない小瓶
55888通目の宛名のないメール
お返事が届いています
ななしさん
辛くて怖かったね。それで、頑張ってきたんだよね。だけど、ちょっとだけ頑張りすぎちゃったね。
お疲れ様。
自分の気持ちを文字で書いてくれてありがとう!
ずっと嘘をついて、心が麻痺しちゃって、どれが自分かわかんなくなっちゃったんだね。
嘘つく理由が、周りの環境としていっぱい用意されてたから、嘘をつかざるをえなかっただけだよ。
ずっと仕方ないって思ってたんじゃないかな。
私もそうだもん。それで自分を見失って、人間はほとんど嫌いで人間不信…。
でも、一緒にしちゃってごめんね!
もしかしたら、この小瓶を書いてくれたあなたの書いて欲しいことは書けてないかもしれないけど、寄り添いたいとは思ってるよ。
それは、お返事を書いてる人達が共通して思ってる事だと思うよ。
大丈夫。あなたは愛されてるし、きっと愛される。少なくとも、私はこの小瓶を読んだ時点であなたを愛したいと感じたよ。
ななしさん
僕も自分に嘘をついてきました
始まりは小学生の頃だったと思います
親の転勤に伴い以前住んでいた所よりも都会になるので、今まで通りではいけないと親に言われてからです
それから僕はやりたいと思ったことややりたくないことを素直に親に言うことができなくなり、親に言われすがままにものごとをこなすようになりました(習い事や学習、友達が出来ても友達の家で行われるお泊まり会には行かない、彼女、進路など)
それから高校卒業まで本当の気持ちに嘘をついて、後悔して、自分の思うことを出来ないことを誰かのせいにしていました
大学生になった頃自由の範囲は広がりましたが、自分の意志に素直にやりたいことをやっている同級生がとても羨ましく感じました
でも、羨ましいなんて直接言ったら「自分は可哀想なヤツ、親に言われなきゃ何も決められないヤツ」と思われることが嫌で自分は自分のできる範囲で幸せだったんだと。また自分の気持ちに嘘をついていました
今はいい歳だろと言われる歳になりましたが、この嘘をつく癖は治らず、自分の本当の気持ちなどもうよく分からなくなっています
周りに合わせて愛想を振り撒き、反論されないために勉強し、正論を並べて相手を押さえつける
そんな生活です
本当の自分とはなんなのか知ろうとして本を読んだり、動画を見たりしますがどの内容もピンときません
自分に嘘を付き続けてしまった為なのか、自分の事でさえ客観視して気持ちを冷めた表現で罵倒することはしょっちゅうです
生きていることに意味はない、生きているだけで素晴らしいなど言う方もいらっしゃいますが本当にそうか?と私は考えてしまいます
生きている=何らかのかたちで税金を収め人の役にたっている、または将来そうなる
↑であるならば、仮に仕事を辞めて税金などを納めることが出来ない状況になった場合はどうなのかと考えてしまいます
僕はこんなことばかり考えてしまい、自○未遂も何度かしています
それでも今この書き込みをしているということは、きっとまだ逝くには早く、足掻いていかなければならないのだろうと感じています
ななしさん
私と同じですね。
嘘つきすぎてもう何がなんなのかわけがわからないです。助けてほしいです。
困ってる同士仲良くしましょう?
ななしさん
俺も同じような感じです。
もう、まともだった時の記憶もほとんど無いし、家族や自分の顔すら思い出せないけど、生きてます。
綺麗事は言えないけど、あなたはまだ、今の状況を苦しんで変えようと思えてる。そうでなかったら、あなたはここに書き込みをしていない。だからか、少しずつでいいから、彼氏さんに自分の気持ちを出せるように頑張ってみよう。それでもダメだったら、また別の自分の事を本当に理解してくれる人を探せばいい地球にはものすごく大量の人がいるのだから一人はそのような人がいるはずです。俺なんかも、話くらいは聞いて認められると思いますよ。似た者同士ですから。
ななしさん
どれもあなた。
嘘じゃない。
あなたはひとりじゃない。
本当のあなたを見つけてくれる人は、
きっといるよ。
ここの人たちは、きっとそう。
だから安心してね。
あなたの傷が癒えますように。
あなたの心が温かくなりますように。
私はよく、嫌なことがあったら、
ホットミルクに蜂蜜を溶かして飲みます。
紅茶もよく淹れます。
落ち着くから、試してみてね。
あなたはあなただよ。他の、誰でもないよ。
ひとりじゃないって、忘れないでね!
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。