何かを代償に命が救えたなら。
記憶、心、いっそ僕の命。
それで誰かの命が救えたらいいのにって毎日思う。
救いたい人がいる。
もう、手術が出来なくなってるらしい。
嫌だな。
もう、死んで欲しくない。
大切な人たちはみんな居なくなる。
おじいちゃんも7年前に。
長男は20歳で、僕が間違った選択をしたせいで。
今度は僕にとって大切な人がまた。
実の姉のように大好きな人が。
嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!
いかないで。
僕の大切な人をこれ以上とらないで!
僕の記憶、心、命。
なんでもあげるから!
だから、もうとらないで!
死んでもいいから!僕なら死んでもいい!
どんなに痛いこと、辛いこと、苦しいことにも耐えるから。
それで夢のあるあの人が生きられるなら!
夢がない僕でも役に立てるなら!
どうか、どうか。
お姉ちゃんを助けてください。
僕のすべてをあげるから!
なんでもとっていいから。
命でも!それがお姉ちゃんが生きるのに必要なら!あげるから。
神様。
いるならどうか叶えてください。
全部治せるぐらいの価値がこの命になくても!
良くなるぐらいの価値は絶対あるから!
だから、神様。
いるなら、いらっしゃるなら!
どうか、叶えてください。
痛いのも我慢するから!
だから!
お願いします。
お姉ちゃんを助けてください。