わたしの好きな人たちにはみんな、わたしよりも一番に好きな人がいる。
寒い日の朝に布団から出るとき、ヒールを履かなければいけないとき、ゆで卵の殻をむくとき。
ちょっとだけ頑張らなければいけないとき。
白い服を着てナポリタンを食べるとき、その人がちょっといるの。いて、エプロンをかけてくれるの。
そんな、好きってことを忘れるくらいの、好き。
ドラマの中のあの子のセリフ。
近所から漂うカレーの匂い、洗剤の香りがまじりあったコインランドリー、スウェットでコンビニに来る女の人。
誰かの生活がまぶしくて綺麗で、苦しかった。
そういう気持ちで、わたしも人を愛したいです。