近年、味覚障害の人が増えているのが問題だと
テレビやネットニュースで少し前に目にしました。
私の家族がそれです。
父親は然程でもなく、
値段知らずに食べ比べたとき
高いものより安いもののほうが美味しく感じる
貧乏舌、というかんじです。
母親は甘いものなら割りとなんでも美味しいと言う、
辛いものなら美味しいと言う、かんじで、
酷いのは妹です。
食べて育った料理は
2つ下の妹が小学5年生からずっと私の手料理なので
その辺は味覚障害になることはありません。
ただ、チョコやポテチなど昔からよく食べ、
夜中もご飯のあとにパイの実やコアラのマーチを食べるような人です。
刺身に醤油はべったり、ドレッシングはひたひた
鮭などにかけたぽん酢もいつも余るので
注意はしてますが直らず
余ったぽん酢はご飯にかけて食べる、それが美味しいんだそうです。
私以外は、スーパーの半額の刺身を美味しく食べますが
私だけ、覚えている限り子供の頃から
生臭いので食べられなく、今も無理です。
外食でいうなら100円寿司は
仕方なく友達に付き合って行く程度です。
牛丼チェーン店に1度行ったとき、
500円で漬け物と牛丼と豚汁、卵がついてきたときには
値のわりには十分で初めての味に普通に満足して
自分も貧乏舌だと思っているんですが、
妹には美味しいと言わない性格の悪いやつだと言いふらされます。
自称料理上手の妹は、甘すぎる卵焼きや塩辛すぎる卵焼き
生焼けの焦げた唐揚げ、火の通ってない煮汁だけ醤油辛い煮物…
一年に数える程度作る物はお世辞にも美味しいとは言えず
むしろお肉は危険です。
そんな妹が、このバレンタインで
ガトーショコラを焦がし
分離したバターやチョコの油分で外側の白くなった
内側は粉の味がする物体を職場で配りました。
私はパティシエですし、味覚を買われ、
店でも味のチェックや商品開発もするので
妹にチェックを頼まれたとき見た目で分かりました。
そもそも匂いでも分かっており、焦げを指摘したのは私で
火の通りもチェックしたのは私です。
案の定不味く見た目も悪く粉糖で真っ白にして隠しました。
あげるなら1カット、それ以上は迷惑になるよ、と
優しく言いましたが
妹と母は、私のつくるガトーショコラとはちがうけど
普通に美味しいからと2カットずつ渡しました。
そして今日、店出せるとか大絶賛だった、
自分は天才かもしれんと延々と聞かされ
あげく昨日まで手が止まらんと食べていた私のボンボンショコラを
こっちはあんまじゃけど、これは美味しいとか
評価しだして、
職場で姉の私にはボロクソ言われたと悪者扱いです。
将来、個々美味しいはあるとは思いますが
本当に 安心して美味しい物を提供する店を持ちたい私は
この事態にショックを受け
自分がおかしいのかさえおもいます。
人のことを悪く言うつもりはありませんが、
明らかに不味いものを過剰に美味しいと思う人が
増えていると私も思います。
自分だけが正しい、と思っているわけではなく
彼氏も味覚はしっかりしているので
肯定してくれる人は側にいるのですが…
なんでも不味いというような悪い人なようで
自分がいやになります。
これからもっと味覚障害の世の中になるのに
私みたいな美味しいものは美味しい
不味いものは不味いという人は悪者にされて
私はパティシエとして自分の舌を信じて良いのでしょうか?