世間はコロナが大変で皆苦労しながら一生懸命生きているようだ。
私の命が溶け出してせめて何かの糧になればいいのに。
私の意識が存在している限り命の有効活用なんてできそうにない。
皆がどう思うか関係ない、自分のやりたいことをやればいいのだ。
だがそれもない。
私の望みは毎日薄暗い布団の中で籠っていることだけだ。
ゲームも、読書も、動画視聴も、好きでやっているわけではない。不必要だ。
永遠の眠りにつきたい。
生きていけるわけがない。
私が今生きているのは不正なのだ。
定期的に空腹を訴える胃が煩わしい。勝手に代謝をして脂を出す体が邪魔だ。
世間の正論と良心の呵責どころか、沸き起こる意識や感覚ですら邪魔で仕方ない。
朝が来るのが怖い。明るいところは怖い。誰かに私の存在が見つかるのが怖い。
まるでゴキブリの人生だ。
健康な体に死は容易ではない。
不意な事故で簡単に死ぬ割に、自分の力で死のうとすると体というのはいやに頑丈だ。
そもそも、自死のための苦しみを疎んでいる時点で底が知れている。
老いて死ぬのも今死ぬのも本質的には変わらない、とかそんなことを書いてあったのはカミュの異邦人だっただろうか。
そんなことはない。
今死んでおけば一番まともな状態で死ねる。
鼓動が止まればいい。
これ以上朝日を見たくない。