ふと、昔のことを思い出しました。
それは私が中学校の頃の話。
地元には私立がなく、小学校を卒業したら次はそこの中学校に入るような地方では一般的な学校でした。
そんな中学校ではありましたが、かつては県大会を団体戦で優勝したこともある強豪校として名が知れていた卓球部がありました。
そこに私は入部しました。
私の6つ離れた姉も所属しており、当時はまだ指導者の方が変わっていなかったことから、何処かで私も卓球が強くなるとばかり思っていました。
しかし、私が2年生になった時にその指導者は別の学校へと異動になりました。厳しくも、教えてくれるアドバイスが的確だったこの指導者の方とは別々の中学校になってしまいました。
その時、部活のプレッシャーが無くなった仲間達がだらけるようになりました。真面目に練習もしなくなり、それでいいのかと思いつつも、言葉にすることは出来ませんでした。
これではいけない。そう思った私は、自分一人だけでも真面目に取り組もうと考えました。けれども、卓球は対人競技。
故に、真面目に練習をしてくれない仲間達との空気の温度差を感じました。
自分の燃やしていた情熱が、徐々に消えていくのが分かりました。
この時から、私は本気になることが出来なくなりました。あるいは怖くなったとも言えるのでしょう。
自分一人頑張った所で何も変わらない。
何故、君たちはここで部活をしているのだろうか。
何故、それで私は苦しんでいるのだろうか。
迷った末、私はどうでもよくなりました。
それから、部活に行ったとしても私は怒りを貯めながら、我慢をし続けました。
君たちは真面目にしないのだろう。
強くなりたいと思っていないのだろう。
無駄に時間だけを確保した練習は技術に比例はしないだろう。
もう私達の世代は強豪ではない。
栄光を掴みきれなかった古豪に過ぎない。
私の心とは裏腹に、新人戦が近づくにつれて、私以外の仲間達は練習を真面目に取り組み始めました。
その時、わたしも真面目にすれば良かった。
私はこの波に乗らず、一人で適当に練習をしました。激しい怒りを覚えました。
もう心が仲間達を受け入れることは出来なくなっていました。
その後は、ただ漫然と時間だけを浪費した私の部活。
男子は団体戦地区予選敗退。
女子は団体戦県大会ベスト16。
私の個人の成績は県大会一回戦敗退。
どこも同じかは分かりませんが、卓球部は男女混合で練習をしていました(多分、特殊)。
最後の3年生の大会が終えてから、卓球のラケットは握っていません。悔しかったですし、何より許せませんでした。
自分自身に対しても、
卓球部の全体の空気に対しても。
真面目にやれば、強くなっていたのに。
それを手放したのは仲間達のせいだと。
中学校を卒業するまで、恨んでいました。
そんな私の思いは知らずに、日常を過ごしている仲間達に苛立ちを募らせました。
私は卓球を楽しみ、強くなりたいと願っていました。しかし、私の心が弱かった。
環境に屈し、時に流されてしまいました。
今にして思えば、若かった。
今の精神状態ならば耐えられたことだったとも思う。けれども、それが私が選択した答え。そして、その時に頑張っていたといえることでもあるのです。
だから、過去の私へ。
頑張っていたことを認めるよ。
それしか方法がないことも分かっている。
もう許してあげるからさ。
囚われるのは終わりにしよう。
本気になれる自分はきっと傍に居る。
可能性を閉ざすのはもうやめよう。
また、新しい情熱を探しにいこう。
未来の私より。