あなたのことを思い出す。
芸能人が自ら死を選んだニュースを目にすると、あなたのことを考えずにはいられない。
どうして死んでしまったの。なんで。
あれほど一緒にいたのに、あなたのことを何も分かっていなかった自分が許せない。
いや、何も分かってなかった訳ではないね。
可能性はあったはずなのに、何も手を打たず突き放したのは自分。
あなたの生きづらさや生死観、繊細さを真に分かっていなかった。
向き合おうとしなかった。
事が起きて後悔する。
いつだって私は自分のことで精一杯。
まさかこんかことになるとは。
想像力のカケラもない自分が情けない。
あなたがどんな思いで1人の夜を過ごしたのか。
最後の瞬間に何を思ったのか。
寂しかったよね。
苦しかったよね。
寄り添えなくてごめんね。
そして、あなたのお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんを思うと、申し訳なさで押しつぶされそうになる。
私はあなたの最後の姿を見たわけで訳ではないし、あなたが本当に死んだのか、正直実感がないのよ。
人の知らせでそれを知っただけ。
それでいいのか。いいはずかない。
時間だけが経っていく。
忘れたくない。
こんなこと二度と繰り返したくない。
自殺のニュースは目にするけれど、きっと一人ひとり事情があって理由はちがうのだろう。
でも、人ごととはもう思えなくなったよ。
ニュースを見るたびに涙が出るの。
もう少しで一年が経つ。
今はただ、あなたとのよかった思い出を思い出し、祈っている。
そっちでは少しでも楽にやってるかな。
どうか、安らかに。
申し訳ないけれど、
私は生きていくよ。