僕がいじめや仲間はずれの標的にされてきた大きな理由の一つ.それが「常識を疑い,まわりと違う行動をとる傾向にある」ということ.そのため,僕は考え方がまわりと異なりうまく話が噛み合わないことがよくあった.そこで,日本とは異なる海外の文化に飛び込むと自身がどのような位置に立てるのか知るとともに,海外の文化と日本の文化の違いを学びたいと考え,カナダに留学した.その結果,韓国人やブラジル人の友人と出会い,彼らが僕よりも先に僕の,日本でいじめや仲間はずれの標的にされてきた個性を尊重してくれた.そこで僕も彼らの個性を尊重し,お互いの価値観や文化的背景,個性を受け入れ合うことができた.そして,失敗を恐れずに自身の英語で気持ちや考え方を伝えることの大切さや面白さを知り,その結果,「挑戦して失敗することよりも失敗を恐れて挑戦しないことのほうが恥である」と考えるようになった.
また,僕はこの個性を活かし,これまで教科書に記述されている内容を疑い,公式の意味や証明の内容を理解することを心がけて勉強に取り組んできた.この取り組みが功を奏し,高校物理の先生が私の疑問を解決するために大学物理の内容を教授してくださったこともある.
近年の科学技術社会の進展やグローバル化の進行,さらには新型コロナウイルスのパンデミックによる被害を受け,これまで我々が抱いてきた常識の多くは今後通用しなくなるのではないかと考えている.そこで僕は自身の強み,すなわち「常識を疑い,まわりと違う行動をとる力」を活かして,これまで非常識だと考えられてきたことを新たな常識とするためのイノベーションの風を巻き起こしたいと考えている.目まぐるしく情勢が変化する現代社会に新たな常識や考え方を刻み込みたいのだ.
「僕の常識はまわりの非常識,まわりの常識は僕の非常識」といわれる時代に自ら,自身の力でピリオドを打ってみたい.