私は統合失調症を患っています。中校生くらいからその気はあったのですが、明確に診断されたのは高校卒業後になります。
私が些細なことに耐えられなかったのも、精神的に不安定だったことが要因だったのかなと…
卒業後はすぐ一般就職したのですが、5ヶ月と続かずに仕事を辞めてしまいました(私の場合幻聴が酷く一人でいるときその幻聴に向かって大声で消えろと怒鳴っていました)。それから生活保護を受けながら作業所で働くことになりました。そこでは知的・身体障害者などが働きに来ており、私もそこでの作業は割と気に入っていました。
ただ一つ気がかりだったのは、知的障害を持つTさんと言う男性でした。Tさんは女性の職員や利用者だけに握手を求めたり、謎のあだ名をつけるような、女性に興味津々といった感じでした。
私は高校まで健常者とかわらない生活でしたので、内心ドン引きではありましたが、もちろん顔に出さないよう友好的に接していました。
私はその日、お昼休憩に仮眠を取ることにしました。部屋の隅にソファと膝掛けがあって、誰でも寝たいときに寝れるようになっていました。
ついたては無かったので膝掛けを頭に被り、一応顔が見えない状態になるようにして横になりました。すると誰かがよってきて、私のすぐそばにかがみこみました。もちろんTさんです。そしてTさんは布越しでも息遣いがわかるほどに私の顔を覗き込みました(多分20cmも離れてはいなかった)。この時怖くて私は動けませんでしたが、Tさんが私の髪に指を絡めて「かわいいね」と呟いた瞬間耐えられなくなって、ついに叫んでしまいました。すぐに職員さんが聞きつけて飛んで来て止めてくれたのですが、その間もTさんはニタニタとした笑顔でこちらを見つめていました。
そんなことがあり、私はなるべくTさんの目に入らないよう、近づかないように努めました。でも作業所のスペースも広くありませんから、どう頑張っても避けられるような距離ではありませんでした。以前は正面から握手を求めてきたのに、私が作業している時に後ろから無理矢理手を握るようになったり、ソファに座ってる時にふと現れて女性のいやらしい写真を見せながら、「これかわいいね」と言ってきたり、朝作業所に行ったときは必ず道を塞ぐようにし、私が返事を返すまでおはようとしつこく挨拶をしてきたり。
もちろん職員さんにも困っていると伝えました。職員さんによると「Tさん決して悪い気持ちでやってるんじゃないのよ。若い女の子好きなだけだから。気にしないで無視して」とのことでした。他の女性も皆もう手慣れている感じでした。
私はいつも通りに作業所に行き、Tさんの挨拶を無視し、早速作業に取り掛かろうとしていました。すると、Tさんが私に声をかけてきました。何度も何度も。私が反応するまで。きづいたら私は叫んでいました。ソファで叫んだときとは比較にならないほど。そして涙も流していました。私はTさんを侮辱する言葉を吐き捨てました。
Tさんには全く響いて無いようでした。
その場には作業をしている利用者さんが十数人いましたがソファーであったことは利用者さんは知りません。ですから利用者さんにとっては私はただ声を掛けられただけで発狂して知的障害者を差別する迷惑女に映ったと思います。
その時は自分でも何でそうなったのかわからなかったのですが、後から考えてみると、自分で思ってたよりもずっとショックだったのだと思います。Tさんが目に入る度に、ソファでの荒々しい息遣いや手を握られたときの生暖かい感触が蘇り、本当に死にたくなります。
周りに言わせれば「Tさんのしたことに決して悪意はなく、仕方ないこと」です。Tさんはそういう障害だから仕方ない、無視して、気にしないで。他の人もそうしてるから。それなら、それができなかった私は異常?私は当たり前のこともできないような、差別主義の最低人間のようでした。
そして今に至ります。明日職員さんと話合いをするのですが、やめることになるんだろうなぁ。
だって知的障害の利用者がいる施設にそんな差別主義者がいることがおかしいからね。
私には知的障害のある兄姉がいますが、私は無意識のうちに身内まで蔑むような救いようのないクズになっているようでした。
作業所は、まだ1ヶ月も通っていません。でもようやく仕事を覚えて頑張ろうと思っていた矢先、こんなになるなんて。作業所ですら上手くいかないのならどこにも仕事なんてありゃしない。久しぶりに自分らしくいられる場所を見つけたと思ったのに、そこだけは悔しいです。
以上、差別主義者の独白でした!