名前のない小瓶
亡くなってしまった人たちに会えたら、あの時のあのことを謝りたいな、お礼を言えなかったな、今の私の話を伝えたいな、見せたかったな、色々と考えますよね。
私の父も癌で他界しました。
余命宣告をされた日、本人は死を間近にして思うところもあったはずなのに、そういう恐怖や不安を見せずに逝きました。
怖いし自分勝手だし、欠点を挙げたらキリがないような人でしたが、亡くなってから思い出すのは、父が何気なくかけてくれた言葉や穏やかで他愛ないやりとりです。
会いたいですね。
だけど、会えなくなった今、会えていた時より父を思います。
父が癌の苦しさから解放されたどこかで、生前のようにどこかで楽しくやっていることを想像します。
息子さん、お父様に見てほしかったですね。それは叶わない願いですが、あなたが思い出すお父様の話を息子さんに話して上げてください。
お父様に会う方法を思うあなたへのお返事としては意味のない私の戯言ですが、息子さんに、あなたが会いたいと願ってやまないお父様を語って、あなたが好きなお父様の人柄がいつか息子さんに受け継がれたら、息子さんを通してお父様の面影に会うことになるのではないでしょうか?
益体もない話でお目汚し失礼しました。
どうぞお健やかな育児を。